実験に関するサポート
実験の準備と実行に関するよくあるご質問と回答をご覧いただけます。
濃度計算、遠心分離機の使用、サンプルの管理方法なども含め、実験を開始し、前進させ続けるためのヒントや技術資料
タンパク質濃度は、どのように測定すればよいですか?
溶液中のタンパク質量を推定する最も迅速な方法は、紫外可視光法(UV-vis)を用いて吸光度を直接測定することですが、この方法はあまり正確ではなく、感度も高くありません。 ほとんどのタンパク質は、Bradford法またはビシンコニン酸(BCA)アッセイを用いることで高精度に定量できます。
紫外可視光法(UV-vis)を用いてどのようにタンパク質濃度を測定すればよいですか?
タンパク質濃度は、280 nmでのUV吸光度を測定することで推定できます。タンパク質は、トリプトファンとチロシン残基からの吸収により、280 nmに強いピークを示します(一般にA280と呼ばれます)。 これは、ランベルト・ベールの法則を用いて、タンパク質濃度に容易に変換することができます(以下の式を参照)。 この方法は主に、精製が正しく行われたことの確認など、濃度をかなり大まかに推定するために用いられます。
A = ɛcl
- Aは吸光度です(A280など)。
- はモル吸光係数(Mɛ-1cm-1)であり、これは文献から確認することができます。
- c c / cは濃度(M)です。
- lはパス長(cm)、すなわちキュベット/マイクロプレートの長さです。
Bradford法を用いる場合、どのようにタンパク質濃度を測定すればよいですか?
Bradford法は、タンパク質がCoomassie Brilliant Blueと結合することを利用した比色法のアッセイです。
- 酸性条件下で色素がタンパク質に結合すると、最大吸収波長が465 nmから595 nmにシフトし、茶色から青色に色が変化します。
- 未知のタンパク質濃度は、既知の濃度のタンパク質[通常はウシ血清アルブミン(BSA)]から作成された標準曲線を参照して推定されます。
BCAアッセイを用いる場合、どのようにタンパク質濃度を測定すればよいですか?
BCAアッセイは、タンパク質によるCu2イオンの還元と、それに続くBCAの結合を利用した比色法のアッセイです。
- 生成されたCu+イオンはBCA試薬と濃い色の錯体を形成し、562 nmで非常に強い吸光度を示します。
- 未知のタンパク質濃度は、既知の濃度のタンパク質[通常はウシ血清アルブミン(BSA)]から作成された標準曲線を参照して推定されます。
マイクロプレートでどのようにサンプルを測定すればよいですか?
多くのキットでは、標準的なマイクロプレートフォーマットを用いてサンプルを検出します。 使用するプレートは検出方法によって異なります。 各読取り方法に推奨されるプレートの種類の概要は以下のとおりです。
- 比色法:透明プレート
- 蛍光法:黒色/透明底プレート
- 化学発光法:白色プレート
一部の読取り方法では、ウェル間のシグナルのクロスオーバーを排除するため、不透明なプレートが必要です。 常に底がフラットなプレートを使用してください。ボトムリーディング型装置を使用する場合は底が透明なプレートを使用してください。
測定前にプレートシーラーやプレートの蓋を必ず取り外してください。 これらを取り外さないと、読取りに支障をきたすだけでなく、装置が損傷するリスクが高まります。
トップリーディングとボトムリーディングのメリットは何ですか?
トップリーディングの方がシグナル-ノイズ比が優れていることが多いです。 トップリーディングでは、ウェル間のクロストークを排除し、バックグラウンド蛍光を低減させることができます。 ただし、細胞ベースのアッセイではボトムリーディングの方が良い結果が得られることが多いです。 これは、アッセイのコンポーネントの一部(親油性のバッファーなど)が蛍光色素の励起や蛍光を妨げ、プレート上部からの読取りができなくなるためです。
遠心分離機を使用する際、rpmをgに変換するにはどうすればよいですか?
1分間の回転数(rpm)と遠心力(g)はどちらも、サンプルを回転させた時に遠心分離機が及ぼす力を表すために用いられます。 科学文献では、どちらの単位も使用されることが多いです。 他の研究者の実験を再現したい場合、これらの単位の変換方法を理解しておくと便利です。
そのためには、遠心分離機のローターの半径(r)をcm単位で知っておく必要があります。 よく分からない場合、メーカーの指示をご確認ください。遠心力は相対遠心力(rcf)と呼ばれることもあります。 これらの単位は同じです。
rpmからgにはどのように変換すればよいですか?
遠心力(g)および半径(r)が分かっている場合、以下の式を用いて回転数を計算します。
gからrpmにはどのように変換すればよいですか?
rpmと半径(r)が判明している場合、
g= rpm2 ☓ r ☓ 1.118 ☓ 10-5を用いてgを計算します。
この抗体は交差反応性ですか?
抗体を選択する際、ターゲットに特異的で、交差反応しない抗体を選ぶことが重要です。 交差反応性を最小限に抑えるために知っておくべきことについてご説明します。
抗体を選ぶ際、何に考慮すべきですか?
抗体を選択する際、以下の点を考慮してください。
抗体選択時の考慮事項:
- ターゲットへの結合が検証済みであることを確認してください。 データシートの「概要」および「ターゲット」のセクションを確認してください。
- 二次抗体を選択する場合、一次抗体とは異なる種で作製されていることを確認してください。例えば、マウス一次抗体にはロバ抗マウス二次抗体が必要な場合があります。
血清吸着済みとフラグメントを用いて、交差反応を避けるにはどうすればよいですか?
実験で交差反応を避ける方法についてご説明します。
- 二次抗体が交差反応する可能性のあるタンパク質に対して 血清吸着処理済み の場合、これらのタンパク質とは反応しません。 血清吸着処理により特異性が向上し、交差反応が最小限に抑えられます。
- 完全な免疫グロブリンではなくF(ab)およびF(ab')2抗体フラグメント を用いることで、抗体と細胞表面の受容体の間の交差反応の可能性をさらに抑えることができます。
類似のタンパク質の交差反応の可能性はどのように確認することができますか?
抗体の免疫原配列が分かっている場合、免疫原配列について、抗体が反応する可能性のある他のタンパク質とのアラインメントを確認することができます。
複数のウェブサイトで、アライメント一致率を計算するためのツールが提供されており、欧州分子生物学研究所[European Molecular Biology Laboratory(EMBL)]の欧州バイオインフォマティクス研究所[European Bioinformatics Institute(EBI)]のウェブサイトからアクセスできます。 免疫原配列と別のタンパク質の配列を比較する場合、アライメントスコアが85%以上であれば、その抗体は交差反応する可能性があることを示します。アライメント一致率はこれよりずっと低いことが理想的です。
濃度の変換はどうすればよいですか?
濃度の変換は煩わしい作業です。 これを容易にするため、当社のキットで用いられる一般的な単位について、以下の表でご確認いただけます。 質量とモルに基づく単位の変換には、物質の分子量(Mw)を知っておく必要があります。
変換元の単位と変換先の単位を表で確認のうえ、対応する変換係数を使用します。
例:
- g/mLからM(mol/L)に変換するには、103/Mwを乗じます。
- M(mol/L)からg/mLに変換するには、分母と分子を反転させたMw/103を乗じます。
M | M | mM | µM | nM | pM |
g/mL | 103/Mw | 106/Mw | 109/Mw | 1012/Mw | 1015/Mw |
mg/mL | 1/Mw | 103/Mw | 106/Mw | 109/Mw | 1012/Mw |
µg/mL | 10-3/Mw | 1/Mw | 103/Mw | 106/Mw | 109/Mw |
ng/mL | 10-6/Mw | 10-3/Mw | 1/Mw | 103/Mw | 106/Mw |
pg/mL | 10-9/Mw | 10-6/Mw | 10-3/Mw | 1/Mw | 103/Mw |
濃度が容量単位ではなくウェル単位で表示されている場合はどうなりますか?
キットのデータがM(mol/L)単位で表示され、対応する容量(例:nmol/ウェル)が表示されない場合があります。 この場合、濃度を決定するには、この値をウェル内の溶液の容量で除す必要があります。
ELISAのダイナミックレンジはどのように算出すればよいですか?
ELISAのダイナミックレンジは、アッセイにより正確に測定できる抗原濃度の範囲です。 ダイナミックレンジの決定方法と、異なるサンプルタイプに対してダイナミックレンジを解釈する方法について、ご確認いただけます。
ダイナミックレンジはどのように算出すればよいですか?
ダイナミックレンジは、抗原濃度の標準曲線をアッセイからの検出シグナルに対してプロットすることにより決定することができます。
測定値が正確であるとみなされ、したがってダイナミックレンジ内に収まるとみなされるためには、以下の点が示されている必要があります。
- スタンダードを複数測定した際の標準偏差が小さい。
- 抗原濃度と検出シグナルの間に強い相関関係がある。
当社のELISAキットのデータシートとプロトコールには、通常、アッセイで正確に測定できることが証明されている実験サンプルのダイナミックレンジが詳細に記載されています。 これらのダイナミックレンジは通常、検出されるタンパク質の濃度、または希釈率(血漿や血清のようなサンプルではよく使われる)のいずれかとして提示されます。
ダイナミックレンジが濃度として表示された場合、どのように解釈すればよいですか?
アブカムのHuman Frataxin ELISA Kit(ab176112)のプロトコールには、各種細胞株ライセートについて、ダイナミックレンジ内に収まると予測される総タンパク質濃度範囲を示した表が含まれています。 テストされた時点で、これらの濃度は標準曲線の直線範囲内に収まっていました。
HeLa細胞ライセートの場合:
- ダイナミックレンジの下限では、ELISAにより、0.5µg/mLの総frataxin濃度が正確に検出されました
- ダイナミックレンジの上限では、ELISAにより、100µg/mLの総frataxin濃度が正確に検出されました
- したがって、ダイナミックレンジは0.5~100 µg/mLと提示されます
ダイナミックレンジが希釈範囲やパーセンテージとして表示された場合、どのように解釈すればよいですか?
血清や血漿などの他のサンプルタイプの濃度のダイナミックレンジは通常、希釈率として、分数またはパーセンテージのいずれかで提示されます。
例えば、アブカムのTNF alpha ELISA Kit (ab208348)の場合です。 プロトコールには、アッセイのダイナミックレンジ内での血漿希釈範囲を示した表が含まれています。
ヘパリン中で採取した血漿の場合:
ダイナミックレンジの下限では、ELISAにより、1/16(6.25/100、すなわち6.25%)に相当する希釈率でタンパク質が正確に検出されました。
ダイナミックレンジの上限では、ELISAにより、未希釈(100/100 = 1、すなわち100%)の血漿中のタンパク質が正確に検出されました
したがって、ダイナミックレンジは6.25~100%と提示されます
標準曲線から値を算出するにはどうすればよいですか?
標準曲線は、アッセイによって生成されたシグナルからサンプルの濃度を正確に決定するために用いられます。 シグナルはサンプル濃度に完全に比例するわけではありません。 標準曲線はこのような影響を補正するように設計されているため、特定のシグナルの値がどの濃度に対応するかを知ることができます。
標準曲線は通常、定量的に正確な結果が必要な場合に用いられます。 以下に記載する一般原則は、細胞アッセイ、生化学アッセイ、タンパク質活性アッセイ、ELISAのキットにも適用されます。
具体的な手順は、キットのプロトコール・ブックの「データ解析」のセクションに記載されています。
1. キットに標準曲線が必要かどうかは、プロトコール・ブックをご確認ください。
- 標準曲線は通常、キットを濃度の定量的測定(半定量的や定性的分析ではなく)に使用する場合に必要となります。
2. スタンダードの既知の濃度範囲でシグナルを測定します。
- 使用濃度はプロトコール・ブックに記載されています。
- 信頼性を高めるため、この手順は2回または3回繰り返しで行われることが多いです。
3. 使用濃度をX軸に、シグナルをY軸にプロットします(以下の例を参照)。
4. プロットを分析してトレンドを判断します。
- 具体的な分析方法は、プロトコール・ブックの「データ解析」のセクションに記載されています。
- より良いフィッティングが得られる場合は他のモデルを用いることもできますが、ELISAデータ(S字状となることが多い)では通常、4パラメータ曲線フィッティング(4PL)が用いられます。
- 他の多くのキットはほぼ線形を示すため、線形近似曲線が適しています。
5. 目的のサンプルでアッセイを実施し、シグナルを測定します。
- 得られるシグナルが標準曲線から得られる値の範囲内でなければなりません。 そうでない場合、必要に応じてサンプルを希釈または濃縮してください。
6. 標準曲線のトレンドを用いて、各シグナルからの濃度を算出します。
- キットのプロトコール・ブックに記載されている具体的な指示に従ってください。
- すべてのサンプルが標準曲線の範囲内にあることを確認します。 シグナルがこの範囲外の場合、サンプルは適宜希釈または濃縮する必要があります。
公表論文でアブカム製品を使用(引用)するにはどうすればよいですか?
公表論文での当社製品の使用(引用)方法、レビューの投稿方法に関する情報についてご説明します。
公表論文にアブカム製品を使用・引用することでどのようなメリットがありますか?
公表論文に製品名を適切に使用(引用)いただくことで、他の科学者の研究を後押しすることができます。
公表論文を基に他の科学者が実験を再現できれば、研究や発見は驚くほどのスピードで進歩します。 学術論文を分析した研究では、分野、ジャーナルインパクトファクター、報告要件にかかわらず、リソースの54%が公表論文で一意に特定できないことが分かりました。 このため、成功したプロトコールを再現したり、公表された研究から発展させたりすることが困難な場合が多いです。
当社の参考文献チームは、過去および最近の公表論文を検索し、各データシートに最も正確かつ最新のデータを提供しています。 参考文献は、データシートの「参考文献」タブからご覧いただけます。
論文でアブカム製品を使用(引用)するにはどうすればよいですか?
製品を容易に特定し、結果を再現できるようにするため、以下の項目を記載してください。
- 抗体の供給元として「アブカム」と明記してください。
- カタログのabIDを含めてください。
- 使用したアプリケーションと希釈範囲を記載してください。
- 実験に使用した種を記載してください。
アブカム製品を使用(引用)した論文を公表する場合、論文のコピーと使用した製品をEメールでtechnical@abcam.comまでお送りください。
アブカム製品の評価は何に基づいたものですか?
当社のAbcam product reviewsでは、科学者が当社製品をレビューするにあたり、肯定的なものも否定的なものも含めたすべてのフィードバックをデータシートに公開し、最も正直なデータを研究コミュニティに提供するよう取り組んでいます。
なぜアブカム製品のレビューを投稿する必要があるのですか?
より幅広い研究コミュニティに対して、優れた品質の製品を見つける一助となるだけでなく、レビューを投稿いただいた方にはポイントも進呈いたします。 レビューを投稿いただくごとにアブカムポイントがアカウントに加算され、将来のご注文時にご利用いただけます。
製品レビューを投稿するにはどうすればよいですか?
レビューの投稿およびポイントの獲得方法については、製品レビューのページをご覧ください。
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