ウエスタン・ブロッティング プロトコール


試薬の調製

細胞溶解バッファー

下記の各バッファーは、4 ℃ で数週間、分注後 -20 ℃ で約 1 年間保存が可能です。

Nonidet-P40 (NP40) バッファー
150 mM NaCl
1.0% NP-40 (possible to substitute with 0.1% Triton X-100)
50 mM Tris-HCl pH 8.0
Protease Inhibitors

RIPA (Radio Immuno Precipitation Assay) バッファー
150 mM NaCl
1.0% NP-40 or 0.1% Triton X-100
0.5% sodium deoxycholate
0.1% SDS (sodium dodecyl sulphate)
50 mM Tris-HCl pH 8.0
Protease Inhibitors

Tris-HCl バッファー
20 mM Tris-HCl pH 7.5
Protease Inhibitors

ランニング・バッファーなど

ローディング・バッファー (2X Laemmli サンプル・バッファー)
4% SDS
10% 2-mercaptoethanol
20% glycerol
0.004% bromophenol blue
0.125 M Tris-HCl

pH 6.8 に合わせる。

ランニング・バッファー (Tris-Glycine/SDS)
25 mM Tris base
190 mM glycine
0.1% SDS

必要に応じて pH 8.3 に合わせる。

トランスファー・バッファー (ウェット)
25 mM Tris base
190 mM glycine
20% methanol

必要に応じて pH 8.3 に合わせる。

目的とするタンパク質の分子量が 80 kDa よりも大きい場合、SDS を終濃度 0.1 % になるように加える。

トランスファー・バッファー (セミドライ)
48 mM Tris
39 mM glycine
20% methanol
0.04% SDS

ブロッキング・バッファー
5 % スキムミルクまたは BSA
フィルターを通した TBST バッファーに、スキムミルクまたは BSA を加えて調製します。フィルターを通すことで、シグナル検出時にメンブレン上に黒い点が現れるのを防ぐことができます。

 

サンプルの調製

1. サンプルの溶解

培養細胞の溶解

  1. 氷の上に培養細胞を置き、冷却した PBS で洗浄する。
  2. PBS を取り除き、冷却した細胞溶解バッファーを加える。細胞溶解バッファーの使用量は、10 cm ディッシュまたは 150 cm2 フラスコ(107 cells)で 1 ml、6 cm ディッシュまたは 75 cm2 フラスコ(5 x 106 cells)で0.5 ml。
  3. セルスクレーパーを用いて細胞を剥がし、冷却した遠心チューブに移す。
  4. 4 ℃ で 30 分間攪拌する。
  5. 4 ℃、16,000 xg で 20 分間遠心する。
  6. 上清を氷の中に立てた新しいチューブに移し、沈殿物は破棄する。

組織の溶解

  1. 滅菌済み器具で目的とする組織を採取後、氷の上でプロテアーゼを用いて迅速に組織を消化、分解する。
  2. 1のサンプル液をマイクロ遠心機用チューブ(エッペンドルフ・チューブなど)に移し、液体窒素に浸す(この段階で保存する場合は -80 ℃ 保存とする)。以下のホモジナイズの操作は、容器・器具を氷の上に置きながら行う。組織 5 mg に対して 300 μl の細胞溶解バッファーを加え、ホモジナイザーでホモジナイズする。300 μl の細胞溶解バッファーを 2 回加えてリンス後、4 ℃、2 時間ローテーターで攪拌し続ける。
  3. 4 ℃、16,000 g で 20 分間遠心する。遠心後、上清を新しいチューブに移し氷の中に立てる。沈殿物は廃棄する。
 

2. サンプルの準備

  1. 各サンプル液から少量(50 μl)ずつ取り、各サンプル中のタンパク質含有量を測定する。
  2. 残りの各サンプル液にサンプル・バッファーを等量加える。

    データシートやウェブサイトで「ウエスタン・ブロッティングに使用できる」と記載されているアブカムの抗体は、SDS や 2-ME などで還元・変性処理したサンプルに対して使用できることが確認されています。データシートやウェブサイトに「非還元のサンプルでも使用可能」との記載がある場合を除き、サンプルは還元・変性処理を行ってください。

  3. サンプル・バッファーを加えたサンプルを、100 ℃、5 分間煮沸して還元・変性処理を行う。なおこの段階で 50-100 μl ずつ分注し、-20 ℃ での保存が可能である。使用する際は、37 ℃ で融解してから使用する。ただし凍結融解の繰り返しは避ける。
  4. 16,000 xg で 5 分間遠心する。
 

3. 電気泳動

  1. SDS 電気泳動ゲルの各ウェルに 20-30 μg のタンパク質を含む還元・変性処理サンプル液、または 10-100 ng の精製タンパク質、または分子量マーカーを添加する。
  2. 100 ボルトで 1-2 時間泳動する。

この泳動条件は例です。最適な条件は、目的とするタンパク質の分子量とゲル濃度(アクリルアミド濃度)によって異なります。下記にタンパク質の分子量とそれぞれに適したゲル濃度の一覧を示します。

 
タンパク質の分子量とゲル濃度表

4 - 40 kDa
20%
12 - 45 kDa
15%
10 - 70 kDa
12.5%
15 - 100 kDa
10%
25 - 200 kDa
8%
 

4. メンブレンへの転写

  1. 下記の図の様にスポンジ、ろ紙、ゲルとメンブレンを重ねてセットしてください。

    Western blot transfer

    メンブレンはニトロセルロースまたは PVDF を使用してください。PVDF の場合、使用前にまずメタノールに浸し、さらにトランスファー・バッファーに浸してからゲルに重ねてください。転写したメンブレンは、ブロッキングを行う前のポンソーレッド染色で、タンパク質の転写の有無を確認できます。

 

5. 染色

  1. ブロッキング:メンブレンをブロッキング・バッファーに浸し、室温で 1 時間、または 4 ℃ で一晩反応させる。
  2. 一次抗体反応:ブロッキング・バッファーで希釈した一次抗体を加え、4 ℃ で一晩、または室温で 2 時間反応させる。
  3. 洗浄:メンブレンを TBST に浸し、シェーカーで 5 分間、3 回洗浄する。
  4. 二次抗体反応:ブロッキング・バッファーで希釈した二次抗体を加え、室温で 1 時間反応させる。
  5. 洗浄:メンブレンを TBST に浸し、シェーカーで 5 分間、3 回洗浄後、TBS でリンスする。
  6. シグナル検出:検出試薬と反応させる。
  7. 余分な検出試薬を取り除き、メンブレンをサランラップで覆う。
  8. 酵素よる発色反応を行う。または暗室にて化学発光反応を行う。
 

ウエスタン・ブロッティング関連情報

ウエスタン・ブロッティング プロトコール (Webinar)


ローディング・コントロール抗体

電気泳動がきちんと行われているか、メンブレンへの転写が確実にされているか、といった基本的な操作を確認するため、ローディング・コントロール抗体を併用することをお勧めします。

ローディング・コントロール抗体の使用例


 
抗体: beta Actin antibody - Loading Control (ab8227) 1/5000 希釈
Lane 1: HeLa 細胞抽出物
Lane 2: 酵母抽出物
Lane 3: マウス脳組織由来抽出物

 


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