アブカムでは最適な動作のために Google Chrome など最新ブラウザでの閲覧を推奨します。
私たちはウェブサイトをできるだけ使いやすくするために、クッキーを使用しています。
クッキー・ポリシーでは、使用するクッキーをオプトアウトする方法について説明しています。
クッキーの設定を変更しないままでいる場合、このポリシーに同意しているとみなされます。
電気泳動では、基本的にはタンパク質はその分子量によって分離されます(小さい分子量のタンパク質ほどゲル中を速く移動します)。しかしながらその分子量が変動する要因がいくつかあるため、また分子量以外にも泳動に影響を与える要因があるため、実際のバンドの位置が予想されたものと異なる場合があります。以下に考えられる要因を示します。
1 : 翻訳後修飾のため: リン酸化や糖鎖付加などによって、タンパク質の分子量が大きくなる。
2 : 翻訳後開裂のため: pro-Caspase のように選択的に切断されることによって、タンパク質の分子量が小さくなる。
3 : スプライス変異のため: 選択的スプライシングにより、同じ遺伝子から複数の異なる分子量のタンパク質が産生される。
4 : 相対的な電荷のため: 同じような分子量のタンパク質であっても、荷電性アミノ酸と非荷電性アミノ酸の組成比による荷電状態の違いで、ゲル中での移動度が異なる。※
※SDS 処理するとタンパク質の荷電は均一化され、移動度に対する荷電の影響は小さくなります。しかしその影響を完全に除くことはできません。下記「4. サンプルは必ず還元・変性条件下で泳動を行うべきですか?」もご参照ください。
ライセートの場合、1 ウェルに全タンパク質として 20-30 ug が目安です。ただしタンパク質の発現量に合わせて調整してください。精製タンパク質の場合、内在性タンパク質、リコンビナント・タンパク質いずれの場合も、1 ウェルに 10-100 ng が目安です。
リコンビナント・タンパク質の配列が全長ではない場合、その配列に使用抗体の免疫原ペプチドの配列が含まれていない(そのリコンビナント・タンパク質に抗体のエピトープがない)可能性があります。リコンビナント・タンパク質と免疫原、双方の配列をご確認ください。またリコンビナント・タンパク質にタグがついている場合、そのタグが抗原抗体反応を阻害する可能性があります。いずれにせよサンプルとしてリコンビナント・タンパク質を使用する場合には、内在性のタンパク質をポジティブ・コントロールとして同時に泳動してみることをお勧めします。
アブカムは原則として、サンプルを還元剤(β-メルカプトエタノールなど)および変性剤(SDS など)で処理した上でテストを行っています。データシートに特別な記載がない場合には、還元・変性条件下で泳動を行ってください。非還元・非変性条件下でテストを行っている場合には、必ずデータシートにその旨が記載されています。データシートをご確認の上、その条件に従ってください。
ブロッキング剤に影響を受けやすい抗原や抗体もありますので、ブロッキング剤の選定には注意を払う必要があります。望ましいブロッキング剤が分かっている場合には、データシートにその旨が記載されていますので、それに従って下さい。スキムミルクの方がコスト的に有利で、また多種類のタンパク質が含まれることから良い結果が得られることもあります。しかしながら通常、BSA の方がクリアな結果が得られることが多いようです。
データシートで「4 ℃ 一晩」が推奨されている場合には、基本的にはそれに従ってください。ただし他の条件でうまくいくことも十分ありえます。時間的な制約などの理由で条件を変更したい場合には、参考文献やアブカム・ウェブサイトの Abreview を参考にして条件検討を行った上で、変更してください。
これら以外のご質問がございましたらテクニカル・サポートまでメールまたは電話(03-6231-0940)でお問い合わせください。