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ホルマリン固定された組織の多くは、免疫組織化学染色を行う前に抗原賦活化の工程を必要とします。固定時に形成されるメチレン架橋はタンパク質を架橋し、抗原部位がマスキングされます。抗原賦活法は、このメチレン架橋を切断し、抗原部位を露出させ、抗体の結合を可能にします。抗原賦活法には、熱誘導抗原賦活法(HIER: heat-induced epitope retrieval)と酵素賦活法があります。
酵素賦活法は、時に切片の形態を損なうことがあるので、濃度や処理時間の検討が必要です。
熱誘導抗原賦活法は、圧力鍋、電子レンジ、野菜蒸し器などを用いて行うのが一般的です。また、60℃に設定したウォーターバスで、スライドを賦活化液 中で一晩インキュベートする研究室もあります。これは、特に骨、軟骨、皮膚など、高温で加熱するとスライドから落ちてしまう組織切片を扱う場合に有効です。
抗体のデータシートに抗原の賦活法が記載されていない限り、各抗原に最適な方法を実験的に見出す必要があります。これは、熱処理の賦活化に使用するバッファーの選択にも当てはまります。いくつかの方法を試して、最適な染色ができる賦活法を見つけることをおすすめします。
確実な結果を得るための便利なバッファー
熱処理による抗原賦活化で確実な結果を得るためには、アブカムの調製済み抗原賦活化用バッファーをおすすめします。 クエン酸バッファーキット、Tris-EDTAバッファーキット、EDTAバッファーキット、またはTrisバッファーキットからお選びください。
また、Universal 熱処理抗原賦活化試薬キット(当社の代表的なPD-L1クローン28-8で使用)は、ほとんどの抗体と適合性があり、複数のバッファーを必要としません。
酵素を用いた抗原賦活化には、トリプシン溶液キットをお勧めします。また、ペプシン溶液キット、プロテイナーゼ K 溶液キットもご用意しております。
その他、お客様ご自身でバッファーや溶液を調製していただき、下記の推奨方法と同じ方法で行うことも可能です。
以下の3 種類の溶液は、HIER 用バッファーの中で最も一般的なものです。データシートの情報がない場合、賦活化用バッファーの選択は試行錯誤が必要です。
クエン酸ナトリウムバッファー (10 mM クエン酸ナトリウム, 0.05% Tween 20, pH 6.0)
1 mM EDTA, pH 8.0
Tris-EDTAバッファー(10 mM Tris塩基、1 mM EDTA溶液、0.05% Tween 20、pH 9.0)
この方法では、スライドを金属製のラックに設置する必要があります。
材料と試薬
手順
免疫組織化学染色を行う前に、同じ組織切片のスライドを1、2、3、4、5分と賦活化し、賦活化時間を最適化するための対照実験を推奨します。
家庭用電子レンジの使用はおすすめしません。加熱のムラが生じ、抗原の賦活化が不均一になってしまいます。加圧環境がないため、抗原の賦活化時間は通常長くなり、ほとんどの場合、切片の剥離を引き起こします。科学用電子レンジがより適切です。ほとんどのメーカーが加圧容器を搭載しており、温度を98℃に一定に保つことができるため、切片の剥離を防ぐことができます。
この方法の場合、バッファーが沸騰して吹きこぼれる可能性があり、賦活化用バッファーが大量に蒸発します。スライド容器のバッファー量に注意し、必要に応じてバッファーを追加してください。また、スライドを乾燥させないようにしてください。
この手順では、スライドはプラスチック製のラックと容器に入れる必要があります。標準的なガラス製の染色ラックと容器は、加熱すると割れることがあります。
材料と試薬
手順
煮沸中に蒸発することを考慮して、密閉されていない容器を使用してください。蒸発の様子を見ながら、途中で吹きこぼれないように注意し、スライドを乾燥させないようにしてください。
多くの研究室では、熱処理抗原賦活法に野菜用蒸し器や炊飯器を使用しています。この方法は、バッファーの温度を100℃に保つという点で、電子レンジに似ていますが、電子レンジ法のような激しい沸騰はありません。この方法は、蒸し器の代わりに100℃に設定したウォーターバスでも適用できます。
スライドは、プラスチック製または金属製のラックと容器に入れる必要があります。標準的なガラス製の染色ラックや容器は、加熱すると割れるおそれがあります。
材料と試薬
手順
使用する酵素は、抗体のデータシートに記載されています。記載がない場合、トリプシンはホルマリン/PFA固定後に抗原賦活化する必要がある様々な抗原に有用です。
組織を酵素溶液で処理する方法には、少なくとも2つの方法があります:スライド上の組織に溶液を直接ピペッティングする方法と、ラックに設置した組織のスライドを酵素溶液が入った容器に入れる方法があります。前者は試薬の使用量が少なく済みますが、スライドを個別に処理する必要があるため、すべてのスライドが同じ処理を受けるように、インキュベーションの時間をスライドごとに注意する必要があります。このため、大量のスライドを酵素液の入った容器に浸して処理する方が簡単です。自動染色システム(例:Ventana)を使用する場合は、適切な酵素賦活化プロトコールをメーカーに問い合わせて下さい。
ピペッティング法:材料と試薬
トリプシン・ストック溶液(蒸留水中0.5%)
塩化カルシウム・ストック溶液 (1%)
トリプシン溶液 (0.05%)
ピペッティング法:手順
液浸法:材料と試薬
液浸法:手順
酵素によっては、活性のために特定のバッファーや補酵素を必要とするものがあるので、選択する酵素の製造元の文献を必ずお読みください。
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