ELISA troubleshooting tips


ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay; 酵素免疫測定法)における問題とその解決法、トラブルシューティングをまとめました。

自分でアッセイ系を組み立てて実験を行った場合(ELISA 用抗体ペア・キット / ELISA Set / ELIPAIR Kit などを利用)におけるトラブルシューティングが中心ですが、SimpleStep などのキット製品を用いた実験の場合でも参考になると思います。

  1. ネガティブ・コントロールでも反応が認められる
  2. バックグラウンドが高い
  3. 吸光度が全体的に低い
  4. 吸光度の値が予想よりも高い
  5. バラつきが大きい
  6. 発色が遅い

 

1       ネガティブ・コントロールでも反応が認められる

  • コンタミネーションがある:ピペッティング操作時の跳ね上がりなどで、ネガティブ・コントロールのウェルなどへのコンタミネーションが起きないよう、注意深く操作を行ってください。またチップは、サンプルごとに新しいものに交換してください。
  • プレート洗浄が不十分である:ウェルを満たす十分な量の洗浄液で、確実に洗浄してください。またウェルに残った洗浄液は、ペーパータオルにタップするなどして確実に除いて下さい。
 

2       バックグラウンドが高い

  • 検出用抗体が固相抗体に反応している:互いに反応し合わないことが確実な、固相用抗体と検出用抗体の組み合わせを選んでください。検出用抗体として酵素標識抗イムノグロブリン抗体を用いる間接法を行う際は、その検出用抗体の固相抗体への交差反応について特にご注意ください。
  • 抗体濃度が高い:固相抗体と検出抗体が、それぞれ推奨されている濃度で使用されていることを再確認してください。場合によっては推奨濃度よりも濃度を低くして試してください。
  • 反応時間が長すぎる:抗原抗体反応、発色反応などの時間を再検討してください。特に発色反応の時間の再検討をお勧めします。
  • 基質発色剤溶液の調製に問題がある:基質と発色剤の調製濃度、調製方法、保存条件について、再確認してください。
  • 基質発色剤溶液が古い:色味がかった基質発色剤溶液は古くなっているか、またはコンタミネーションしている可能性がありますので、調製し直して下さい。基質発色剤溶液は実験の都度、新たに調製することをお勧めします。
  • 反応が完全に停止していない:停止液は主に酸ですが、その酸は古くなると劣化し、反応を停止する能力が低くなる場合があります。なるべく新しい停止液を使用してください。
  • 反応停止と吸光度測定の間の時間が空きすぎている:反応停止液で発色反応を止めたら、直ちに吸光度を測定して下さい。基質発色剤と停止液の種類と組み合わせによっては、時間の経過とともに色が全体的に濃くなるものがあります。
  • 調製容器からのコンタミネーションがある:試薬を調製する容器はきれいなものを使用してください。基質発色剤溶液については、必ずディスポーザブル製品を使用してください。抗体溶液などそれ以外の溶液でも、ディスポーザブル製品の使用をお勧めします。
  • 発色反応を明るいところで行っている:発色反応は遮光下で行ってください。具体的には、基質発色剤溶液の添加後直ちにプレートにアルミホイルをかぶせ、発色反応を行わせてください。
  • 反応温度が高い:抗原抗体反応や基質発色剤反応などをインキュベーター内で行っている場合は、それが適切な温度条件であるかを再確認してください。
  • 抗体が非特異的な結合をしている:適切なブロッキング・バッファーを選択してください。ブロッキング・バッファーとしては BSA 溶液、あるいは二次抗体のホスト動物種の血清 5-10 % を含む溶液の使用をお勧めします。抗体はなるべくモノクローナル抗体、アフィニティ精製ポリクローナル抗体、あるいは Pre-adsorbed 抗体を使用してください。
  • ※ 上記 1 ネガティブ・コントロールでも反応が認められる の項目についてもチェックしてください。

 

3       吸光度が全体的に低い

  • サンプルに含まれる抗原(ターゲット・タンパク質)の量が少ない:ターゲット・タンパク質がサンプル中に、十分量含まれていることを確認してください。ターゲット・タンパク質の量が少ない場合には、希釈率を変えるか、サンプルの量を増やすか、または濃縮を行ってください。それらが難しい場合には、系の高感度化を試みる必要があります。
  • 阻害物質が混入している:ペルオキシダーゼの反応を阻害するアジ化ナトリウム、抗原抗体反応に影響を与えるタンパク質変性剤などが混入していないかどうか確認してください。アジ化ナトリウムは抗体製品の防腐剤として添加されている場合があり、また尿素などのタンパク質変性剤はサンプルの調製過程で加えられている場合があります。
  • 抗体濃度が低い:固相抗体と検出抗体が、それぞれ推奨されている濃度で使用されていることを再確認してください。場合によっては推奨濃度よりも濃度を高くして試してみてください。
  • 反応温度が低い:抗原抗体反応や基質発色剤反応などを行なうインキュベーター内あるいは室内の温度が、適切な条件であるかを再確認してください。また、試薬を冷蔵あるいは冷凍で保管していた場合、液の温度が室温に戻ってから使用してください。
  • 反応時間が短い:抗原抗体反応、発色反応などの時間を再検討してください。その時間が推奨されている通りであっても、長くして試してみてください。
  • 基質発色剤溶液の調製に問題がある、または古い:基質と発色剤の組み合わせ、またはその濃度が正しいか、再確認して下さい。溶液は使用の直前に調製してください。
  • 反応停止液を加えていない:反応停止液を加えることによって初めて、既定の吸光度の発色を示す基質発色剤があります。その場合は必ず反応停止液を加えてください。そのような場合でなくても、反応停止液を加えると発色が安定するので、加えることをお勧めします。
  • 反応停止と吸光度測定の間の時間が空きすぎている:反応停止液で発色反応を止めたら、直ちに吸光度を測定して下さい。基質発色剤と停止液の種類と組み合わせによっては、時間の経過とともに退色してゆく場合があります。
 

4       吸光度の値が予想よりも高い

  • 抗原濃度が高すぎる: サンプルとコントロールの希釈率をそれぞれ見直し、抗原の濃度を下げて再度実験を行ってください。もちろん、最終濃度計算の際にはその希釈率を考慮する必要があります。
 

5       バラつきが大きい

  • 反応の間、プレートを積み重ねている:複数のプレートを同時に測定する場合、プレートを積み重ねると、プレート間およびウェル間の温度条件が不均一になります。プレートは積み重ねずに 1 枚 1 枚広げた状態で反応させてください。
  • ピペット、チップ、またはピペッティング操作に問題がある:ピペットは、正しい液量が吸入・吐出されているかを定期的に検定し、スムーズに正しく動くことが確認されているものを使用してください。チップは、使用前に破損がないかを必ず確認してください。ピペッティングは、確実で均一な操作になるよう心がけてください。
  • コンタミネーションがある:ピペッティング操作時の跳ね上がりなどで、近接するウェルなどへのコンタミネーションが起きないよう、注意深く操作を行ってください。またチップは、サンプルごとに新しいものに交換してください。
  • 溶液が不均一である:反応溶液の濃度にムラができないよう、試薬およびサンプルはプレートに滴下する前に十分に混和してください。
  • ウェル中の液が蒸発している:反応をインキュベーター内にて高い温度で行う場合は、ウェル中の液が蒸発することを防ぐため、プレートをカバーするか、またはインキュベーター内に蒸留水を入れたトレイを置いてください。
  • 洗浄が不均一、不十分である:ウェル間で均一に洗浄されるようにしてください。洗浄はバラつきの大きな要因になり得ます。
  • プレートの底面が汚れている:プレート底面の汚れは吸光度の値に大きく影響します。吸光度測定の前にプレートの底面をきれいに拭いてください。
 

6       発色が遅い

  • 反応温度が低い:基質発色剤の反応が正しい温度条件下で行なわれているかを再確認してください。基質発色剤を冷蔵あるいは冷凍で保管していた場合、液の温度が室温に戻っていることを確認してから使用してください。
  • 基質発色剤反応が弱い:基質発色剤溶液は使用の直前に調製してください。ストック溶液を使用する場合には、古くなりすぎていないかを確認してください。
  • ※ 上記 3 吸光度が全体的に低い の項目についてもチェックしてください。

 

これら以外のご質問がございましたらテクニカル・サポートまでメールまたは電話(03-6231-0940)でお問い合わせください。












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