ELISA 用サンプル調製ガイド

ELISA を行う際の、サンプル調製のプロトコールとポイントをご紹介します。

ELISA で使用できるサンプルの種類や調製法につきましては、それぞれのキットに添付されたプロトコールをご参照ください。詳細な調製法が記載されていない場合には、類似した実験を行っている論文か、または以下のプロトコールを参考にしてください。


サンプルの調製法


血清

  • 抗凝血剤を含まないチューブ(BD 社 Vacutainer Serum tubes Cat #: 367812など)で採血する。
  • 室温で 20 分間静置する。
  • 3,000 rpm、4 °C で 10 分間遠心する。
  • 上清(血清)を、速やかに予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


血漿

  • 抗凝血剤でコートしたチューブ(BD 社 Vacutiner Coagulation tubes, Cat #: 363080 など)で採血する。または全血に 0.1 M クエン酸ナトリウムを終量が 1/10 となるように加える。
  • 3,000 rpm、4 °C で 10 分間遠心する。
  • 上清(血漿)を、速やかに予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


  • サンプルを 10,000 rpm、4 °Cで2 分間遠心する
  • 上清を、予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


尿

  • サンプルを 10,000 x g、4 °C で 2 分間遠心する。
  • 上清を、予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


唾液

  • サンプルを 10,000 x g、4 °C で 2 分間遠心する。
  • 上清を、予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


細胞培養上清

  • 培地を遠心チューブに移し、1,500 rpm、4 °C で 10 分間遠心する。
  • 上清を、速やかに予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


条件培地(Conditioned medium)

  • 細胞が最適な細胞密度になるまで、血清を含む完全増殖培地で培養する。
  • 培地を取り除き、数 mL の PBS で穏やかに洗浄する。この操作を 2 回行う。
  • PBS を取り除き、血清を含まない培地を穏やかに加える。
  • 1-2 日間培養する。
  • 培地を遠心チューブに移し、1,500 rpm、4 °C で 10 分間遠心する。
  • 上清を、速やかに予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


細胞抽出液

  • 細胞培養プレートを氷上に置く。
  • 培地を取り除き、氷冷した PBS で穏やかに 1 回洗浄する。
  • PBS を取り除き、100 mm プレート 1 枚につき 0.5 mL の完全抽出バッファー(下記参照)を加える。
  • プレートを傾けて細胞を掻き集め、予め冷却したチューブに移す。
  • ボルテックスで混合し、氷上で 15-30 分間静置する。
  • 13,000 rpm、4 °C で 10 分間遠心する。
  • 上清(抽出物可溶性画分)を、予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。


組織抽出液

  • 清潔な器具を用いて組織を取り出す。プロテアーゼによる分解を防ぐため、作業は氷上でできるだけ素早く行う。
  • 組織を丸底の遠心チューブに移し、液体窒素に浸して瞬間冷凍する。使用時まで -80 °C で保存しておくか、または直ちに氷上で次のステップに進む。
  • チューブに、5 mg の組織につき 300 µL の完全抽出バッファー(下記参照)を加える。次いで、電動ホモジナイザ―を用いてホモジナイズする。
  • ブレードを 300 µL の完全抽出バッファーで 2 回すすいだ後、4 °C で 2 時間撹拌する。または低温室中にてシェーカーで振とうする。
  • 13,000 rpm、4 °C で 20 分間遠心する。氷上で上清(抽出液可溶性画分)を、予め氷冷した新しいチューブに分注し、-80 ℃ で保存する。凍結融解の繰り返しは避ける。

抽出バッファーの量は、組織の大きさに応じて調整して下さい。


細胞・組織抽出バッファーの組成

  • 100 mM Tris (pH 7.4)
  • 150 mM NaCl
  • 1 mM EGTA
  • 1 mM EDTA
  • 1 % Triton X-100
  • 0.5 % Sodium deoxycholate(デオキシコール酸ナトリウム)


完全抽出バッファーは、細胞・組織抽出バッファーに下記の試薬を加えます。

  • ホスファターゼ阻害剤カクテル
  • プロテアーゼ阻害剤カクテル
  • PMSF


細胞・組織抽出バッファーに加えるホスファターゼ阻害剤カクテルおよびプロテアーゼ阻害剤カクテルは、各製品のプロトコールに従ってご使用下さい。PMSF は終濃度 1 mM になるよう、使用する直前に加えて下さい。


調製におけるポイント

  • 細胞流出物および組織抽出物のタンパク質濃度は、なるべく 1 mg/mL 以上になるよう、調製してください。
  • 血清、血漿、細胞抽出液、組織抽出液をサンプルとして使用する際には、希釈バッファーで 2 倍以上に希釈してください。
  • 使用前にサンプルを解凍したら、10,000 rpm、4 °C で5 分間遠心して沈殿物を取り除いてください。



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