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ELISA において必要なコントロール

抗体を用いた実験においては、コントロールを置くことが必要です。ELISA においても、得られたシグナルを偽陽性から区別するために、また得られなかったシグナルを偽陰性と区別するために、ポジティブ・コントロールとネガティブ・コントロールを置くべきです。またそのアッセイがうまく行かなかった時にコントロールがあれば、トラブルシューティングが容易になります。ここでは ELISA で使用するさまざまなタイプのコントールについて説明します。

スタンダード

スタンダードは、得られたサンプルの測定値をその系のターゲット物質の濃度に換算するための標準曲線(Standard curve)を描くために使用する、ターゲット物質の濃度が既知のサンプルです。定量するための ELISA 系であれば必ず必要で、市販のキットでは多くの場合製品に含まれています。下記は Mouse IL-6 ELISA Kit(ab46100)の標準曲線で、範囲は 15.6 µg/mL から 500 µg/mL に設定してあります。


ネガティブ・コントロール

ネガティブ・コントロールとしては、ターゲット物質を全く含まないサンプルを使用します。キット製品添付の希釈バッファーやスタンダードの「0」を使用することもあります。ネガティブ・コントロールは、得られたシグナルが偽陽性ではなくターゲット物質由来のものであることを示し、アッセイの妥当性を判断するためには必ず必要です。複数の ELISA プレートを使用する場合には、各プレートに必ず 1 箇所はネガティブ・コントロールを置くことをお勧めします。

ポジティブ・コントロール

ポジティブ・コントロールはその名の通り、必ずポジティブとなる(シグナルが得られる)サンプルで、その ELISA 系のターゲット物質を含むことが明かである生体サンプルか、または使用する抗体の免疫原に配列が含む物質(精製タンパク質、リコンビナント・タンパク質、ペプチドなど)を使用します。市販のキットでは製品に含まれていることもあります。サンプルでの測定結果が陰性であっても、ポジティブ・コントロールが陽性であれば、そのアッセイ自体は問題なくワークしていたということを示し、ネガティブな結果の正当性を実証することができます。

キットにポジティブ・コントロールが含まれておらず、自分で探さなくてはいけない場合には、まずは製品のデータシートを確認してください。ポジティブ・コントロールの具体例の記載がある場合は、それに従ってください。記載がない場合は下記をご参照ください。

  • ウェブサイト上の製品データシートで Swiss-Prot や Omnigene などの遺伝子・タンパク質データベースを確認してください。そこに掲載されている、発現組織のライゼートをポジティブ・コントロールとして使用できる可能性があります。
  • GeneCards データベースで、ターゲット・タンパク質のエントリーを確認してください。そこに掲載されている、発現組織のライゼートをポジティブ・コントロールとして使用できる可能性があります。
  • ウェブサイト上の製品データシートで Abreview®(使用したユーザーからのレビュー)の有無を確認してください。その中で検出できたという体液、組織、細胞、ライゼートなどの報告があれば、ポジティブ・コントロールとして使用できる可能性があります。
  • それでも適切なコントロールが見つけられなかったら、PubMed で論文を検索し、ターゲット・タンパク質が発現する組織や細胞を調べてください。

内在性ポジティブ・コントロール

上の項でポジティブ・コントロールとして、ターゲット物質のリコンビナント・タンパク質やペプチドが使用できると述べましたが、実際にはこれらが使用できない(すなわち ELISA で検出されない)こともあり得ます。それはリコンビナント・タンパク質やペプチドと、サンプル中の、いわゆる内在性(ネイティブ)のターゲット物質との間に違いがある可能性があるからです。

その違いとは例えば、立体構造、糖鎖の有無、タグの有無などです。またペプチドの場合、サンドイッチ ELISA で複合体を形成できる十分な分子量があるかどうかという問題もあります。系で使用されている抗体のエピトープを含むことが確認されているリコンビナント・タンパク質やペプチドだからといって、必ずポジティブ・コントロールとして使用できるわけではないということを考慮してください。使用できるリコンビナント・タンパク質やペプチドが見つからない場合には、細胞・組織ライゼートなどの、内在性ポジティブ・コントロールを探してください。

添加コントロール

ELISA で測定するサンプルの種類としては血清、血漿、培養上清、細胞ライゼート、組織ライゼートなどがあります。ただしそれらサンプルがすべての ELISA 系で使用できるわけではありません。それは、サンプル中の成分(血清・血漿中の血液タンパク質、血漿中の抗凝固剤、培養上清中の培地成分など)が系に影響を与える可能性があるからです。市販のキットでデータシートに適用のないサンプルには、そのような可能性がありますので、使用しないことをお勧めします(使用してうまく行かなかったとしても Abpromise の保証は適用されません)。もしどうしてもデータシートに適用のないサンプルで使用したい場合には次のような方法で、サンプル中の成分が系に影響を与えるかどうかを調べることができます。

ポジティブ・コントロールあるいはターゲット物質が含まれるサンプルを、次の 溶液 A および溶液 B の溶液にて、それぞれ同じ倍率で希釈します。A. 使用したいサンプル溶液でターゲット物質を含まないもの(例えばサンプルが培養上清であれば培養に使用していない培地、サンプルが血清であればターゲット物質が陰性であることが明かな血清など)。B. キット添付の希釈バッファー(あるいはスタンダードの「0」)。希釈前のサンプル、A で希釈したサンプル、B で希釈したサンプルの 3 種類を同時に測定し、標準曲線から得られた値を比較します。A 希釈サンプルと B 希釈サンプルの値がほぼ一致すれば、また希釈前サンプルの値と A 希釈サンプルの倍率補正した値がほぼ一致すれば、それはサンプル中の成分の影響は少ないことを示しています。



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