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ELISA においては、サンプルと標準曲線用標準物質共に、2 点測定(Duplicate)または 3 点測定(Triplicate)を行ってください。得られた値の平均値を測定値とします。ただし 2 点あるいは 3 点それぞれの値が平均値から 20 % 以上離れている場合はバラツキが大きすぎます。平均値自体も疑わしいと判断せざるを得ません。
標準曲線(スタンダード・カーブ)
一連の希釈した標準曲線の濃度を X 軸に、吸光度を Y 軸に、それぞれプロットし、ソフトウェアを使用して近似曲線(回帰曲線)を描き、標準曲線を作成します。1 回のアッセイで複数のプレートを使用する場合には、標準曲線はプレートごとに設定してください。
またスタンダードとは別に、ポジティブ・コントロールのサンプルを置くことをお勧めします。そのコントロールの濃度が既知であれば、スタンダード(標準曲線)の妥当性を判断することもできます。
Human HIF-1 alpha ELISA Kit (ab171577) の標準曲線を示します。グラフ上の各点は、3 点測定の平均値です。
ターゲット物質濃度の算出
サンプルの吸光度の平均値を求め、標準曲線グラフの Y 軸上のその値をから、標準曲線に向けて水平線を引きます。例えば値が 1 の場合は下図 a のようになります。
標準曲線と交差する点でから X 軸に向かって垂直線を引き、X 軸と交差する点の濃度を読み取ります(下図 b)。ただし多くの場合、こういった作業(計算)はソフトウェアに行なわせます。
サンプルの吸光度が標準曲線の最高点を超えた場合
サンプルを希釈した上でアッセイを行います。得られた濃度に希釈した倍率を乗じた値が元の濃度となります。
アッセイの妥当性の評価 1: バラツキ
バラツキの評価は変動係数(Coefficient variation; CV)で行います。CV は平均値 µ に対する標準偏差 σ の割合で、% で表します。
Cv= σ / µ
同じサンプルを複数(最低 5 点)設定し、得られた濃度を統計処理します。標準偏差 σ は平均値に対する偏りであり、この値自体がバラツキを表します(大きいほどバラツキが大きいことを示す)。ただし σ は値(濃度)そのものが大きいほど大きくなる数字であるため、異なる濃度のサンプル間で σ を比較するのは無意味です。そこで σ を測定値の平均値で割った値をパーセント表示した CV が広く用いられます。CV が 10 % よりも小さければ、優れたアッセイ系と言えます。
CV 値が大きくなる原因には次のようなものがあります。
アッセイの妥当性の評価 2: 添加回収
ターゲット物質の濃度が同じであっても、それが含まれる溶液の成分・組成によって ELISA の反応系が影響を受け、測定結果が異なってしまうことがしばしばあります。添加回収試験は、血清、培養上清などのサンプル溶液成分が測定に与える影響を評価する方法です。
サンプル希釈バッファーと、ターゲット物質が含まれないサンプル溶液(サンプルが培養上清の場合細胞培養していない培地など)を用意し、それぞれに濃度既知のターゲット物質を等量加えます。アッセイを行って濃度を算出し、両者を比較します。測定値がほぼ同じ(80-120 % 程度)であれば、サンプル成分の影響は少ないと判断します。市販のキット製品で適用あるとされているサンプルは、このような影響は少ないと判断されたものです。
添加回収試験でサンプルの溶液成分の影響が無視できないことが明らかになった場合には、サンプルを希釈バッファーでなるべく大きい倍率で希釈して、アッセイに供してください*。ただし希釈したサンプル中のターゲット物質濃度はその系の検出感度よりも高くなくてはいけませんので、希釈前のサンプル中のターゲット物質濃度が十分に高いことが必要です。
*サンプルがデータシートに適用のないものであった場合、たとえこのような方法で行ってうまくいかなかったとしても、Abpromise の対象にはなりませんのでご注意ください。