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抗体を購入したら、まずは推奨される保存方法をデータシートでご確認ください。その保存方法で、一年間は活性を保つことが確認されています(データシートに固有の有効期限が記載されている場合を除く)。アブカムは、お買い上げいただいた抗体製品の反応に問題があった場合 Abpromise の保証に従い、必ず交換または返金の手配をさせていただいています。しかしながら、データシート記載の保存方法で保存していただかなかった場合、その保証はいたしかねる場合がありますのでご注意願います。なお、個々の製品の保存方法についてご質問がございましたら、テクニカル・サポートにメールでお問い合わせください。
データシートにその製品固有の保存方法が記載されていない場合、アブカムが推奨する抗体の保存方法は、小分けして凍結保存(-20 ℃ または -80 ℃)することです。この方法では凍結・融解が一度で済むため、それによる抗体へのダメージを最小限に抑えることができます。また小分けにすることで、ピペッティング操作によるコンタミネーションの可能性を軽減することもできます。
上記の通り抗体の保存は小分けと凍結をお勧めしていますが、冷凍ではなく冷蔵の状態であっても、数週間から数ヶ月以上に渡って活性を保つ抗体は数多くあります。ただし腹水の状態で販売されている抗体製品はプロテアーゼを含んでいる可能性があるため、また培養上清の状態で販売されている抗体製品は濃度が低いことが多いため、それぞれやや不安定な場合があります。こうした製品に関しては、データシート記載の保存方法に厳密に従うことをお勧めします。
酵素標識抗体は、凍結・融解の繰り返しによって標識された酵素の活性が著しく低下する場合があるので、凍結せず冷蔵(4℃)で保存して下さい。ビオチンなど酵素以外の標識抗体の場合も、冷凍保存よりも冷蔵保存の方がよい場合が多いようです。
蛍光標識抗体は、光に曝されると標識された蛍光色素の活性が低下する可能性がありますので、褐色バイアルに移すか、アルミホイルで包むか、あるいは暗所に置くかして、遮光状態で保存して下さい。実験中もできる限り光に曝さないようにしてください。
IgG3 アイソタイプ の抗体製品は、凍結融解により凝集しやすい傾向があるので、4 ℃ での保存をお勧めします。
微生物のコンタミネーションを防ぐため、アブカムの抗体製品には保存剤としてアジ化ナトリウムが添加されている場合があります。多くの場合濃度は 0.02~0.05 % です。濃度の詳細はデータシートの "Storage buffer" の項でご確認下さい。
アジ化ナトリウムは細胞に対して有害です。アジ化ナトリウムが添加されている製品を生細胞に対して、あるいは in vivo の系で用いる場合には、必ず使用前に必除去してください。またアジ化ナトリウムは 1 級アミンを有するため、アミノ基を介する反応に干渉します。抗体標識反応など、アミノ基をターゲットをする反応を行う場合にも、使用前に除去してください。
標識後に保存剤としてアジ化ナトリウムを加えることはできますが、HRP など酵素によってはアジ化ナトリウムがその反応に影響を与える場合があるので、ご注意ください。
アジ化ナトリウムは、透析やゲル濾過などで除去することができます。透析の具体的な方法は次の通りです。
アジ化ナトリウムを除去するには、市販の抗体精製キットや抗体濃縮キット∗1 も便利ですのでご検討ください。
凍結・融解の繰り返しは抗体を変性させ、凝集体を形成する一因を作り、抗体の性能を大幅に低下させる原因となります。
多くの抗体にとって、その最適な保存温度は -20 ℃ です。-80 ℃ でもかまいませんが、-20 ℃ と比較しての利点はほとんどありません。保存は冷凍庫内の温度変化の少ない場所で行ってください。なお、霜取り機能がついている冷凍庫での保存はお勧めしません。霜を取るための温度変化が抗体に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
凍結を防ぐためグリセロールを加えて抗体を保存する方法もあります。これはほとんどの抗体にとって問題がない方法ではありますが、以下の点にご注意ください。
使用濃度にまで希釈して低濃度となった抗体溶液を 1 日以上保管することは、あまりお勧めしません。抗体も含め、タンパク質は一般的に高濃度(1 mg/ml 以上)の場合に比べ、低濃度では不安定だからです。このような場合、抗体以外のタンパク質を加えて、総タンパク質濃度を高めると安定性が増します。また抗体タンパク質が容器の壁に非特異吸着するのを抑える効果も期待できます。しかしながら標識抗体にタンパク質を加える場合、そのタンパク質の種類によっては標識物の活性が低下する場合がありますのでご注意ください。BSA などは活性に影響を及ぼすことが少なく、また比較的安価なのでお勧めです。