Knockout (KO) validation: confirming antibody specificity

抗体が高い特異性を備えているかを確認するため、アブカムは、CRISPR/Cas9 遺伝子編集による KO 検証を行っています。検証済み抗体は、研究において信頼性の高い結果をもたらします。

必要性

抗体は、ライフサイエンス研究や臨床試験において、様々な生物学的経路や疾患でのタンパク質とその機能について研究を行うため、最も一般的に使用されるツールです。抗体は、その特異性や感度により、異なる発現レベルで目的のタンパク質を検出するのに役立ちます。数多くの研究により、すべての抗体が特異性を備えているのではないことが示されています。そういった研究が増え続けるにつれ、実験の再現性に関わる問題が高まりつつあります。この再現性の問題の原因の一部は、交差反応およびオフターゲット・タンパク質結合によるものです。特異性を備えていない抗体を使用することにより、リソースの浪費や、科学の進歩の妨げにつながる恐れがありますBradbury & Plückthun, 2015Baker, 2015Mullaneet al., 2015)。

解決法:ノックアウト検証

抗体の特異性の検証で、最も広く受け入れられ信頼性のあるプロセスの一つに、ノックアウト(KO)検証があります(Madhusoodanan, 2014Rhodes & Trimmers, 2008)。KO 検証は、ターゲット・タンパク質を発現しないKO細胞株や組織を用いて、抗体の特異性を確認します。

​​​KO 細胞株と野生型(WT)細胞株のデータを比較すると、特異的な抗体は KO 細胞株ではシグナルがなく、WT 細胞株には特定のシグナルを与えます。このように KO 検証は、ターゲット・タンパク質に対する抗体の特異性を確認するための真のネガティブ・コントロールとして機能します(Bordeaux, et al., 2010).

アブカムは、Horizon Discovery から入手できる、CRISPR/Cas9 によって作製されたヒト KO 半数体細胞株の幅広いライブラリを使用しています。このタイプの KO 細胞株は、単一対立遺伝子 KO から完全な機能喪失表現型を検出し、二倍体細胞モデルに見られる 2 つ目の対立遺伝子からノックアウトのマスキングを排除します(Bürckstümmer T et al. 2013Reiling JH et al. 2011Carette JE et al. 2009)。​

ノックアウト検証試験の結果

アブカムの抗体の KO 検証には、結果を評価するため主にウェスタン・ブロッティングを用います。ここでは、抗体試験から得られた異なるウェスタン・ブロッティングの結果と、それぞれの取扱いについてご紹介します。

特異性

  •  結果:KO サンプルでは予想分子量(MW)の位置にバンドが検出されない。
  • ·次のステップ:KO に基づく特異的データをデータシートに追加しました。抗体は特異性を備えていることが、KO 試験により保証されました。
  •  1Cdk4 RabMAb製品ab108357。KO サンプルでは、予想 MW の位置にバンドが検出されていません。全レーン:抗 Cdk4 ウサギ・モノクローナル抗体 [EPR4513](ab108357)、1000 倍希釈 

    レーン 1野生型HAP1 細胞ライゼート
    レーン 2Cdk4 ノックアウト HAP1 細胞ライゼート

    予想バンドサイズ:34 kDa
    検出されたバンドサイズ:34 kDa

    ローディング・コントロール抗体(赤): 抗 beta Actin 抗体(ab8226)、1000 倍希釈​

    二次抗体:
    IR Dye 800 ヤギ抗ウサギ IgG (H + L)
    IR Dye 680 
    ヤギ抗マウス IgG (H + L)
    いずれも 10,000 倍希釈

     ​一部特異的 エクストラ・バンド
  • 結果:KO では、予想 MW の位置にバンドは検出されないが、異なる MW にエクストラ・バンドが検出されている。
  • 次のステップ:KO に基づく特異的データをデータシートに追加し、エクストラ・バンドを特定するため、追加の調査と試験を行います。

​​

 2Cdk6 マウス・モノクローナル製品ab54576。KO サンプルでは、予想 MW の位置にバンドが検出されていません。したがって、目的とするターゲットを認識しているということになります。しかしながら、どちらのサンプルでもエクストラ・バンドが検出されています。この原因としては、他のファミリー・タンパク質やアイソフォーム、または無関係のタンパク質に交差反応していることが考えられます。

全レーン: Cdk6 抗体(ab545761000 倍希釈

レーン 1野生型HAP1 細胞ライゼート
レーン 2Cdk6 ノックアウト HAP1 細胞ライゼート

予想バンドサイズ: 37 kDa
検出されたバンドサイズ:37 kDa

ローディング・コントロール抗体(赤): 抗 beta Actin 抗体(ab8227)、1000 倍希釈

二次抗体:
IR Dye 800 ヤギ抗マウス IgG (H + L)
IR Dye 680 ヤギ抗ウサギ IgG (H + L)
いずれも 10,000 倍希釈

非特異的KOで弱いシグナル

  • 結果:予想 MW の位置に、WT と比較すると弱いが、KO でもバンドが検出されている。ベンチマーク抗体は、WT ではターゲット・タンパク質のバンドを検出するが、KO では検出しない。 
  • 次のステップ:KO に基づく特異的データをデータシートに追加し、KO サンプルのシグナルの原因を特定するため、追加の調査と試験を行います。
  •  3Akt1 RabMAb® 製品ab32038。WT サンプルと比較すると弱いものの、KO サンプルでも、予想分子量の位置にバンドが検出されています。これには、ターゲット・タンパク質と同じ分子量の他のファミリー・タンパク質やアイソフォームと交差反応していることが考えられます。

    全レーン: Akt1 ウサギ・モノクローナル抗体(ab320381000 倍希釈

    レーン 1野生型HAP1 細胞ライゼート
    レーン 2Akt1 ノックアウト HAP1 細胞ライゼート

    予想バンドサイズ:55 kDa
    検出されたバンドサイズ:55 - 60 kDa

    ローディング・コントロール抗体(赤): 抗 beta Actin 抗体(ab8226)、1000 倍希釈

    二次抗体:
    IR Dye 800 ヤギ抗ウサギ IgG (H + L)
    IR Dye 680 ヤギ抗マウス IgG (H + L)
    いずれも 10,000 倍希釈

  • 非特異的KOでシグナル​

  • 結果:KO で予想 MW の位置に、WT と同様の強さのバンドが検出されている。ベンチマーク抗体は 、WT ではターゲット・タンパク質のバンドを検出するが、KO では検出しない。

    次のステップ:対象抗体の販売を中止し、特異性が確認されている別の抗体を代替品としてお勧めします。


  •  

     4Akt1 ウサギ・ポリクローナル製品ab91505。KO で予想 MW の位置に、WT と同様の強さのバンドが検出されています。ベンチ・マーカーは、WT ではターゲット・タンパク質のバンドを検出しますが、KO では検出しません。 

    全レーン:抗 Akt1 ウサギ・ポリクローナル抗体(ab91505)、1000倍希釈​

    レーン 1:野生型HAP1 細胞ライゼート
    レーン 2:Akt1 ノックアウト HAP1 細胞ライゼート

    予想バンドサイズ:55 kDa
    検出されたバンドサイズ:55 - 60 kDa

    ローディング・コントロール抗体(赤): 抗 beta Actin 抗体(ab8226)、1000 倍希釈

    二次抗体:
    IR Dye 800 ヤギ抗ウサギ IgG (H + L)
    IR Dye 680 ヤギ抗マウス IgG (H + L)
    いずれも 10,000 倍希釈

  • 非特異的KOWT どちらのサンプルにもターゲット・バンドが検出されない​​

  •  結果:KO、WT どちらのサンプルでもターゲット・バンドが認識されない。ベンチ・マーク抗体は、WT ではターゲット・バンドを検出しますが KO では検出しません。 

    次のステップ:対象抗体の販売を中止し、特異性が確認されている別の抗体を代替品としてお勧めします。


    KO validation ノックアウト検証済み抗体

    ノックアウト検証済シールは、推奨される用途と生物種において検証済みであることに加え、アブカムのKO 検証アプローチにより特異性が確認されている抗体であることを保証するものです。

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