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MDM2 は p53 の主要な抑制因子の一つであり、その経路は p53 の分解です。MDM2 は E3 ユビキチン・リガーゼであり、p53 の K327、K373、K381、K382、K386 をポリユビキチン化します(Figure 2 参照)。ポリユビキチン化された p53 はプロテアソーム経路を介して分解されます1,2,3。これによって通常の状態では、p53 は細胞内で低い濃度に抑えられています。なお p53 には脱ユビキチン化する酵素 HAUSP の存在も知られており、p53 の分解を妨げることによってその安定化に寄与しています。
p53、MDM2、HAUSP の研究に有用な抗体、タンパク質、および低分子化合物
p53 はストレスを受けた細胞においては、そのユビキチン化が抑制されて分解されず核内に蓄積し、またリン酸化やアセチル化などの修飾を受けて安定化し、活性化します。活性化した p53 は補助因子の助けを借りて目的の遺伝子の転写を誘導します5,6,7。
p53 は DNA 損傷を認識するとリン酸化され、安定化・活性化します。p53 をリン酸化するキナーゼには ATM/ATR、Chk1/ Chk2、CK1、CK2、PKC、CDK1/ 2、DNA-PK、HIPK2、ERK2、p38、JNK などがあり、これらがリン酸化するセリン残基およびチロシン残基は、p53 分子上に多数存在します(Figure 1)。
Figure 1. p53 分子上のリン酸化部位(図をクリックすると拡大します)
リン酸化 p53 に対するおすすめ抗体
リン酸化部位 | 抗体 | アプリケーション |
S9 | p53 (phospho S9) ウサギ・ポリクローナル抗体 | ELISA, IHC-P, WB |
S15 | p53 (phospho S15) ウサギ・ポリクローナル抗体 | ICC/IF, IHC-Fr, IHC-P, IP, WB |
S20 | IP, WB | |
S33 | p53 (phospho S33) ウサギ・モノクローナル抗体 | ICC/IF, WB |
S37 | p53 (phospho S37) ウサギ・モノクローナル抗体 | Dot, WB |
S46 | p53 (phospho S46) ウサギ・モノクローナル抗体 | ICC/IF, IHC-P, IP, WB |
p53 は 紫外線や γ 線などによってアセチル化されます。p53 のアセチル化は、MDM2 による p53 のユビキチン化と分解を阻害し、コアクチベーターの会合を助け、DNA への結合能を高め、転写活性化能を上昇させます4,5,6,7。P53 をアセチル化する酵素のうち p300/CBP は K370 - K386 を、 PCAF は K320 を、TIP60 と hMOF は K120 を、それぞれ特異的にアセチル化します(Figure 2)。
Figure 2. p53 分子上のアセチル化部位(A)、メチル化部位(M)、およびユビキチン化部位(Ub)(図をクリックすると拡大します)
アセチル化 p53 に対するおすすめ抗体
アセチル化部位 | 抗体 | アプリケーション |
K370 | p53 (acetyl K370)ウサギ・モノクローナル抗体 | Flow Cyt, ICC/IF, IP, WB |
K373 | p53 (acetyl K373)ウサギ・モノクローナル抗体 | Flow Cyt, ICC/IF, IHC-P, WB |
K381 | p53 (acetyl K381)ウサギ・ポリクローナル抗体 | ELISA, ICC, IHC-P, WB |
K382 | p53 (acetyl K382)ウサギ・モノクローナル抗体 | ICC, IHC-P, WB |