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がん抑制遺伝子産物として知られる転写因子 p53 は、各種タンパク質の転写を促進あるいは抑制することで、細胞へのさまざまなストレスに対して抵抗性を示します。ここでは細胞周期の休止、DNA 修復、アポトーシスといった p53 が関与する細胞応答とそれらに関与する因子、そしてその研究を行うための製品を紹介します。
Figure 1: p53 が関与する細胞応答と、それらに関連する因子
p53 による細胞周期の進行の抑制は、サイクリン依存性キナーゼ(Cyclin dependent kinase; CDK)ファミリーを阻害する p21 の上方制御や、Gadd45 および 14-3-3σ 発現の転写調節など、複数の方法によって行われます。
p53 はゲノム安定性を維持するため、DNA 修復を行います。それは Gadd45 および p53R2 の活性化を介して行われます。
ターゲット | 抗体 | タンパク質 | 阻害剤 |
Gadd45 | リコンビナントHuman GADD45A | SP600125 | |
GADD45Bウサギ・ポリクローナル抗体 | |||
p53R2 | p53R2ウサギ・モノクローナル抗体 | リコンビナントHuman p53R2 |
p53 は血管新生の抑制において重要な役割を果たします。それは血管内皮細胞増殖因子(Vascular endothelial growth factor; VEGF)を抑制する因子 Tsp1 および BAI1 を介して行われます。
プログラム細胞死アポトーシスには、ミトコンドリアに局在する Bcl-2 ファミリー・タンパク質を介して制御される内因性経路と、Fas や TNFR1 などの細胞死受容体(Death receptor)を介する外因性経路があります。p53 はその双方に関与し、アポトーシスを誘発します。
p53 が関与する、強いストレスに対する細胞応答としては、アポトーシスの他に老化があります。これは p53 が転写を促進する p21 や PAI-1 を介して促進されます。
ターゲット | 抗体 | タンパク質 | 阻害剤 | キット |
PAI-1 | PAI-1 ウサギ・モノクローナル抗体 | リコンビナント Human PAI-1 | Plasminogen Activator Inhibitor 1 | Human PAI1 ELISA キット |
SA-β-gal | Senescence Detection キット |