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ウサギ・モノクローナル抗体開発者インタビュー

ほんの数年前までは研究者の皆さんから「初めて聞きました」と言われることの多かったウサギ・モノクローナル抗体ですが、最近ではすっかりおなじみとなり、研究には欠かせないツールとなっています。そのウサギ・モノクローナル抗体がアブカムに本格的にラインアップされるようになったのは、代表的なメーカーである Epitomics 社が 2012 年、アブカム・グループの一員になったところから始まります。

当時アブカムの日本オフィスは、ウサギ・モノクローナル抗体がどのようなものであるのかをよく理解しておらず、今後この製品をどのように日本に紹介していくべきなのか分かっていませんでした。そこでこの抗体とはどのようなものなのか、またどのようなメリットがあるのか、これらを詳しく知りたいと思い 2013 年、サンフランシスコ近郊の町バーリンゲームにある Epitomics 社の本社(現 Abcam バーリンゲーム・オフィス)を訪問し、Epitomics 社の上級副社長であり設立者の一人でもある Weimin Zhu 氏(肩書は当時:現 Abcam)にお話を伺いました。


    Weimin Zhu 氏

ウサギ・モノクローナル抗体は優れた研究用ツール

-まずはウサギ・モノクローナル抗体について簡単に教えてください。

研究用抗体として最も広く用いられているのはウサギ・ポリクローナル抗体です。ウサギ由来抗体は、同じく抗体産生動物として用いられているマウス由来抗体よりも抗原認識能が多彩でかつ厳密であり、また高い親和性を有するというメリットがあります*1。しかしながらポリクローナルであるゆえ、ロット間での性能差があるなど品質上のデメリットもあります。ウサギ・モノクローナル抗体は、ウサギ由来であることからの抗体としての高い性能と、モノクローナルであることからの安定した品質の、いいとこ取りをした抗体です*2。実験動物として最も広く用いられているマウスのサンプルに使いやすいという点も見逃せないポイントです*3

*1 ウサギ免疫システム
*2 選ばれる 8 つの理由
*3 マウス・サンプルにはウサギ・モノクローナル抗体を

-そのような優れた抗体がこれまで研究用抗体としてあまり市販されていなかったのはなぜですか?

ご存知の通り、モノクローナル抗体として最も広く用いられているのはマウス由来のもので、通常、免疫したマウスの抗体産生細胞とマウス由来ミエローマから、細胞融合法により作製したハイブリドーマに産生させます。一方ウサギについては長らく実用に堪え得るミエローマ株が存在せず、それゆえウサギ・モノクローナル抗体というのは一般的ではありませんでした。しかしシカゴの Loyola 大学で樹立されたミエローマ株 240E は、細胞融合のパートナー細胞として優れたものでした。私たちはその細胞株と技術をベースとして 2001 年、Epitomics 社を設立しました。世界的にウサギ・モノクローナル抗体が市販され始めたのはそれからになります。


RabMAb® と Abcam のこれから

-Epitomics 社のこれまでの歩みをお話しいただけますか?

私たちは細胞融合法によるウサギ・モノクローナル抗体作製の国際的な特許を有しており、この技術とそれによって作製された抗体を RabMAb® と称しています。これまで多くの RabMAb® を研究用抗体として製品化してきましたが、これらはさまざまな実験において優れた抗体であることが証明され、RabMAb® は広く知られるようになってきました。現在では中国の Hangzou(杭州)にも拠点を有し、製造はそこで行っています。2012 年に Abcam グループの一員となりましたが、これは Abcam を通して世界中の研究者の皆さんに、もっとRabMAb® の素晴らしさを知っていただくことが最大の目的です。

-RabMAb® は診断薬や抗体医薬の分野にも応用されているとお聞きしましたが?

私たちはこれまで、世界中の大学、研究所、製薬企業などから受託作製の依頼を受け、数多くの RabMAb® を作製してきました*4。作製された RabMAb® のいくつかは臨床診断用キットに組み込まれています。また免疫組織染色の診断用抗体としてアメリカやヨーロッパで認可されている RabMAb® も数多くあります。ヒト化された後、製薬企業の手によって抗体医薬として臨床試験にまで進んでいる抗体もあり、これには私たち Epitomics 社も大きな期待を寄せています。

*4 受託作製サービス

-RabMAb® と Abcam のこれからの展開をお教えください。

研究用抗体としては、ライフサイエンス研究のターゲットとなるタンパク質を網羅する包括的なラインアップを目標として、これまで 4,500 種類以上の RabMAb® を製品化して来ました。しかしまだその目標には達していないと認識しており、今後 1 年間で 1,000 種類以上の製品をリリースする予定です*5。前にも述べましたが、それと同時に、まだ RabMAb® を試したことのない研究者の皆さんに、その素晴らしさを知っていただくことも重要であると考えており、宣伝・広報活動に一層力を入れたいと思っています。

*5 2016 年 10 月現在 Abcam から販売されている RabMAb® 製品の数は約 10,000

関連リンク


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ほんの数年前までは研究者の皆さんから「初めて聞きました」と言われることの多かったウサギ・モノクローナル抗体ですが、最近ではすっかりおなじみとなり、研究には欠かせないツールとなっています。そのウサギ・モノクローナル抗体がアブカムに本格的にラインアップされるようになったのは、代表的なメーカーである Epitomics 社が 2012 年、アブカム・グループの一員になったところから始まります。

当時アブカムの日本オフィスは、ウサギ・モノクローナル抗体がどのようなものであるのかをよく理解しておらず、今後この製品をどのように日本に紹介していくべきなのか分かっていませんでした。そこでこの抗体とはどのようなものなのか、またどのようなメリットがあるのか、これらを詳しく知りたいと思い 2013 年、サンフランシスコ近郊の町バーリンゲームにある Epitomics 社の本社(現 Abcam バーリンゲーム・オフィス)を訪問し、Epitomics 社の上級副社長であり設立者の一人でもある Weimin Zhu 氏(肩書は当時:現 Abcam)にお話を伺いました。


    Weimin Zhu 氏

ウサギ・モノクローナル抗体は優れた研究用ツール

-まずはウサギ・モノクローナル抗体について簡単に教えてください。

研究用抗体として最も広く用いられているのはウサギ・ポリクローナル抗体です。ウサギ由来抗体は、同じく抗体産生動物として用いられているマウス由来抗体よりも抗原認識能が多彩でかつ厳密であり、また高い親和性を有するというメリットがあります*1。しかしながらポリクローナルであるゆえ、ロット間での性能差があるなど品質上のデメリットもあります。ウサギ・モノクローナル抗体は、ウサギ由来であることからの抗体としての高い性能と、モノクローナルであることからの安定した品質の、いいとこ取りをした抗体です*2。実験動物として最も広く用いられているマウスのサンプルに使いやすいという点も見逃せないポイントです*3

*1 ウサギ免疫システム
*2 選ばれる 8 つの理由
*3 マウス・サンプルにはウサギ・モノクローナル抗体を

-そのような優れた抗体がこれまで研究用抗体としてあまり市販されていなかったのはなぜですか?

ご存知の通り、モノクローナル抗体として最も広く用いられているのはマウス由来のもので、通常、免疫したマウスの抗体産生細胞とマウス由来ミエローマから、細胞融合法により作製したハイブリドーマに産生させます。一方ウサギについては長らく実用に堪え得るミエローマ株が存在せず、それゆえウサギ・モノクローナル抗体というのは一般的ではありませんでした。しかしシカゴの Loyola 大学で樹立されたミエローマ株 240E は、細胞融合のパートナー細胞として優れたものでした。私たちはその細胞株と技術をベースとして 2001 年、Epitomics 社を設立しました。世界的にウサギ・モノクローナル抗体が市販され始めたのはそれからになります。


RabMAb® と Abcam のこれから

-Epitomics 社のこれまでの歩みをお話しいただけますか?

私たちは細胞融合法によるウサギ・モノクローナル抗体作製の国際的な特許を有しており、この技術とそれによって作製された抗体を RabMAb® と称しています。これまで多くの RabMAb® を研究用抗体として製品化してきましたが、これらはさまざまな実験において優れた抗体であることが証明され、RabMAb® は広く知られるようになってきました。現在では中国の Hangzou(杭州)にも拠点を有し、製造はそこで行っています。2012 年に Abcam グループの一員となりましたが、これは Abcam を通して世界中の研究者の皆さんに、もっとRabMAb® の素晴らしさを知っていただくことが最大の目的です。

-RabMAb® は診断薬や抗体医薬の分野にも応用されているとお聞きしましたが?

私たちはこれまで、世界中の大学、研究所、製薬企業などから受託作製の依頼を受け、数多くの RabMAb® を作製してきました*4。作製された RabMAb® のいくつかは臨床診断用キットに組み込まれています。また免疫組織染色の診断用抗体としてアメリカやヨーロッパで認可されている RabMAb® も数多くあります。ヒト化された後、製薬企業の手によって抗体医薬として臨床試験にまで進んでいる抗体もあり、これには私たち Epitomics 社も大きな期待を寄せています。

*4 受託作製サービス

-RabMAb® と Abcam のこれからの展開をお教えください。

研究用抗体としては、ライフサイエンス研究のターゲットとなるタンパク質を網羅する包括的なラインアップを目標として、これまで 4,500 種類以上の RabMAb® を製品化して来ました。しかしまだその目標には達していないと認識しており、今後 1 年間で 1,000 種類以上の製品をリリースする予定です*5。前にも述べましたが、それと同時に、まだ RabMAb® を試したことのない研究者の皆さんに、その素晴らしさを知っていただくことも重要であると考えており、宣伝・広報活動に一層力を入れたいと思っています。

*5 2016 年 10 月現在 Abcam から販売されている RabMAb® 製品の数は約 10,000

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