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ウサギ・モノクローナル抗体 RabMAb が選ばれる 8 つの理由

ウサギ免疫系は、マウスなどのげっ歯類と比べて抗原認識能が多様で、かつ強い抗原親和性を持った、いわゆる「反応性が高い」抗体を産生することができます。したがって免疫組織染色やフローサイトメトリーなどの抗体を用いる実験系 (アプリケーション) で、ウサギ由来の抗体製品を選ぶことには大きなメリットがあります。その一方で、ウサギ免疫系は比較的個体差が大きいゆえ、ポリクローナルが主体であるウサギ由来の抗体製品はロット差が大きく、実験系が安定しないことがあるという欠点もありました。

ウサギ・モノクローナル抗体 RabMAbR は、反応性が高いウサギ由来抗体のメリットと、S/N 比と再現性が高いモノクローナル抗体のメリットとを、両方兼ね備えています。そのメリットを 「ウサギ・モノクローナル抗体 RabMAb が選ばれる 8 つの理由」 とし、以下で詳しくご紹介します。

1. 低いバックグラウンド
2. 翻訳後修飾の検出に有用
3. 免疫組織染色にも最適
4. 高い親和性

5. 高い特異性
6. 多様な抗原認識能
7. 多彩なアプリケーション
8. マウス・サンプルに有用

さらに、この RabMAb® が選ばれるもうひとつの理由それは、全製品の国内在庫を揃えていますので、ご注文後お待たせししない ということです (製造中などの理由で一時的に在庫がない場合がございます。予めご了承ください)。

1. 低いバックグラウンド

RabMAb はモノクローナル抗体であり、ターゲット分子中にある 1 ヶ所のエピトープ部位のみを認識します。バックグラウンド・ノイズになりうる抗体分子を含まず、ターゲット以外の分子種との交差反応性が低いため、バックグラウンドは低くなります。

抗 MCM2 RabMAb (ab108935) を用いたウェスタンブロット。サンプルは (A) MCF-7、(B) Ramos、(C) SW480、(D) Molt-4、(E) Jurkat、(F) HeLa 各細胞ライゼート。

抗 c-Myc RabMAb (ab32072) を用いた免疫組織染色。サンプルはパラフィン包埋ヒト結腸腺癌組織。

抗 リン酸化 AMPK alpha 1 RabMAb (ab92701) を用いた蛍光免疫細胞染色画像。サンプルは HeLa 細胞。

2. 翻訳後修飾の検出に有効

ウサギ免疫系は抗原認識能が高く、また多様であり、短いペプチドや低分子化合物など、これまでマウスでは抗体を得ることが不可能であった抗原物質に対しても、ウサギでは反応性が高い抗体を得ることができることがあります。事実こうした物質に対し、多くの優れた RabMAb を得ることに成功しています。またリン酸化、メチル化、アセチル化、SUMO 化といったタンパク質分子上の微小な相違を認識し、これらを厳密に識別し、反応する抗体を産生することができます。例としてヒストン H3 修飾特異的な RabMAb をご紹介します。
アセチル化修飾
抗 Histone H3 Acetyl-K56 RabMAb (ab76307) を用いたウェスタンブロット。サンプルはC6 細胞ライゼート。レーン1:未処理細胞 2:TSA 処理細胞
メチル化修飾
抗 Histone H3 Dimethyl-K4 RabMAb (ab32356) を用いたウェスタンブロット。レーン 1:HeLa 細胞ライゼート 2:メチル化されていないHistone H3 リコンビナント・タンパク質
リン酸化修飾
抗 Histone H3 Phosphorylated-S28 RabMAb (ab32388) を用いたウェスタンブロット。サンプル NIH 3T3 細胞ライゼート。レーン 1:未処理細胞 2:FBS および Calyculin A 処理細胞

3. 免疫組織染色にも最適

抗体は一般的にパラフィン包埋ホルマリン固定 (FFPE) 組織切片中の抗原との反応性が低いため、こうしたサンプルを用いた免疫組織染色においては、抗体を比較的高濃度で使用する必要があります。しかしながら RabMAb は従来の抗体に比べて反応性が高く、5~10 倍低い濃度で使用できます。また従来の抗体の使用時に必要であった抗原賦活化などの前処理が、必要なくなったという事例も報告されています。さらに、マウス・モノクローナル抗体が使用しにくいマウスをサンプルとした免疫組織染色や、マウス・モノクローナル抗体との併用による二重染色にも使用できることもメリットとして挙げられます。
抗 Her2 RabMAb
3ng / mL
A 社ウサギ・ポリクローナル抗体
20ng / mL
B 社マウス・モノクローナル抗体
30ng / mL
抗 Her2 RabMAb、A 社抗 Her2 ウサギ・ポリクローナル抗体、B 社抗 Her2 マウス・モノクローナル抗体をそれぞれ用いて行った免疫組織染色の比較。サンプルは FFPE ヒト乳癌組織。操作は各抗体データシートにて推奨のプロトコールで行った。抗体の使用濃度は各染色画像の下に記す。

4. 高い親和性

抗体と抗原の親和性は、抗原と結合していない抗体の濃度 koff と 結合している抗体の濃度 kon の比である平衡解離定数 KD で表すことができます(KD = koff/kon)。KD の値は、低いほど高い親和性を有する抗体であることを表します (Ref.5)。抗体医薬として用いられている抗体の KD は、一般的な研究用の抗体よりも低いナノモルレベル (10-9M から 10-10M程度) ですが、RabMAb はさらに低いピコモルレベル (10-12M 程度) です。RabMAb は研究用の抗体のみならず、臨床用の抗体よりも、親和性が高いことがわかります。

RabMAbKD (M)
ER1.28 x 10-12
ID12.82 x 10-12
C299.57 x 10-11
TNF-alpha1.25 x 10-11
IL-1-beta1.99 x 10-10
Marketed Therapeutic mAbKD (M)
Herceptin5.0 x 10-9
Rituxan8.0 x 10-9
Synagis1.0 x 10-9
Remicade2.0 x 10-10
Avastin5.0 x 10-10
RabMAb と各種臨床用抗体の KD

RabMAb と一般的なマウス・モノクローナル抗体の KD 値の比較 (概念図)

5. 高い特異性

ウサギはマウスに比べ、その B 細胞の特異性のバリエーションが多く、ウサギはある決まった構造しか認識しない(特異性の高い)モノクローナル抗体を樹立できる確率がマウスよりも高くなります。例としてホルモンの一種であるプロゲステロン(Progesterone)に対するウサギ・モノクローナル抗体 RabMAb の特異性を示します。この表から、抗プロゲステロン RabMAb が、同じステロイド骨格を有し構造的に近い各種物質とは、ほとんど交差反応しないことがわかります。

Identity% Reactivity
Progesterone100
17-aHydroxyprogesterone0.901
Cortisol0.035
Desoxycorticosterone1.59
Identity% Reactivity
20a Dihydroprogesterone0.016
20b Dihydroprogesterone0.02
Pregnenolone0.764
Pregnenolone-3-SO40.426

PARP specific RabMAbs

RabMAb の特異性の高さを生かし、タンパク質の分解時に生じるエピトープのわずかな変化を識別する抗体を樹立することにも成功しています。

3 種類の抗 Poly (ADP-ribose) polymerase (PARP-1) 抗体の認識エピトープ。N 末端側の p25 切断産物特異的抗体(ab32064)、C末側の p85 切断産物特異的抗体(ab32561)、全長認識抗体(ab32138)。

6. 多様な抗原認識能

ウサギはマウスに比べ、その B 細胞の特異性のバリエーションが多く、抗原投与後に多数の B 細胞クローンが得られるため、ウサギでは、多彩なエピトープを認識する抗体が血清中に産生されます。下にウサギとマウスの抗体の多様性を比較した実験の結果を示します。ウサギ抗血清の方がマウス抗血清よりも多くのエピトープを認識する抗体を含んでいることがわかります。

マウスとウサギそれぞれにヒト・フィブロネクチインを投与した後、抗血清を得た。フィブロネクチンおよびプロテアーゼ処理して断片化したフィブロネクチンをサンプルとして電気泳動し、マウスおよびウサギ抗血清を抗体としてウエスタン・ブロッティングを行った。断片化したフィブロネクチンをサンプルとした場合 (レーン 3)、ウサギ抗血清の方でより多くのバンドが認められた。これは、ウサギ抗血清の方がより多くの断片を認識できたことを示す。

7. 多彩なアプリケーション

RabMAb は販売前に必ず、ウエスタンブロッティング(WB)、免疫組織染色 (IHC)、免疫細胞染色 (ICC)、免疫沈降 (IP)、フローサイトメトリー (FACS)など複数のアプリケーションと、ヒト、マウス、ラットなど複数の動物種でテストしています。免疫組織染色についてはすべての RabMAb で、ホルマリン固定パラフィン包埋ヒト組織アレイをサンプルとし、複数の組織に対する反応性をテストしています。これは染色された抗原の局在性を基に、その抗体が確実にターゲットタンパク質を認識しているということを確認・証明するためです。

? A ? B ? C ? D
抗 Caspase-3 (Pro) RabMAb (ab32150) の確認データ。A) HeLa 細胞ライゼートをサンプルとした WB。B) ホルマリン固定パラフィン包埋子宮頸癌組織をサンプルとした IHC。C) Jurkat 細胞をサンプルとした FACS。D) HeLa 細胞をサンプルとした ICC。

8. マウス・サンプルに有用

マウスは実験動物として広く用いられているため、マウス由来タンパク質をターゲットする実験を行うことは多いと思います。しかしながらマウス由来タンパク質に対する良い抗体を作るのは、同じマウスをホスト動物種とした場合には、あまり期待できません (同種タンパク質の免疫原性は高くないため)。しかしながらウサギをホスト動物種とする RabMAb では、問題なく良い抗体が得られます。また、マウス由来サンプルにマウス由来抗体を適用する場合には、バックグラウンドの高さという大きな問題がありますが、RabMAb ではこのような問題はありません。以下に、ホルマリン固定パラフィン包埋のマウス組織をサンプルとして RabMAb で免疫組織染色 (IHC) を行った結果を示します。


抗 EGFR Phospho (Y1068) RabMAb (ab40815) を用いた IHC。サンプルはパラフィン包埋マウス腸組織。

抗 Calponin-1 RabMAb (ab46794) を用いた IHC。サンプルはパラフィン包埋マウス平滑筋組織。

抗 Cytokeratin-8 RabMAb (ab53280) を用いたIHC。サンプルはパラフィン包埋マウス結腸組織。

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