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二次抗体の選び方 FAQ

二次抗体を選定する時によくある質問 FAQ をまとめました。

  1. 一次抗体の「ホスト(Host)」とは何ですか?
  2. 一次抗体の「アイソタイプ(Isotype)」とは何ですか?
  3. 同じ IgG 抗体であってもさまざまな製品名のものがあります。それはなぜですか?
  4. どのように標識物を選べばいいですか?
  5. Pre-adsorbed(吸着処理済み)二次抗体とは何ですか? またどのような時に使用するのですか?
  6. 「IgG 画分」製品と「アフィニティ精製」製品との違いは何ですか?
  7. F(ab) 抗体や F(ab')2 抗体はどのような時に使用するのですか?

1. 一次抗体の「ホスト(Host)」とは何ですか?

抗体の産生に用いられた免疫動物のことです。一次抗体のホスト動物のイムノグロブリンが、二次抗体のターゲットとなります。例えば一次抗体のホストがウサギの場合、二次抗体として抗ウサギ IgG などを選びます(例:一次抗体が抗 Ki67 ウサギ・ポリクローナル抗体(ab15580)の場合、二次抗体として HRP 標識抗ウサギ IgG H&L ヤギ・ポリクローナル抗体(ab6721)などを選ぶ)。

さらに詳しく: 一次抗体ホスト別のオススメ二次抗体リスト


2. 一次抗体の「アイソタイプ(Isotype)」とは何ですか?

抗体(イムノグロブリン・タンパク質)の構造上の違いによる分類で、クラス分類(IgG、IgM 等)やサブクラス分類(IgG1、IgG2a 等)などがあります。一次抗体のアイソタイプが、二次抗体のターゲットとなります。

モノクローナル抗体では通常、データシートにアイソタイプが記載されています(その多くが IgG または IgM です)。一次抗体がモノクローナル抗体の場合、二次抗体にはそのクラスに対する抗体を選びます。マウス IgG は IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3 の 4 つのサブクラスに分類されますが、データシートにこの情報まで記載されている時には、二次抗体にそのサブクラスに対する抗体を選ぶこともできます。例えば一次抗体のアイソタイプが IgG1 であれば、二次抗体として抗マウス IgG1 を選べます(もちろんすべてのサブクラスと反応する抗マウス IgG を選ぶこともできます)。

ポリクローナル抗体には複数のアイソタイプが含まれている可能性がありますが、その多くは IgG です。したがって一次抗体がポリクローナル抗体の場合、二次抗体には抗 IgG 抗体を選べば問題ありません。

参考: マウス抗体(イムノグロブリン)のクラス、サブクラス、タイプ、サブタイプの種類

  • クラス(H 鎖の違いによる): IgG(γ 鎖)、IgM(μ 鎖)、IgA(α 鎖)、IgE(ε 鎖)、IgD(δ 鎖)
  • サブクラス(H 鎖の違いによる): IgG1(γ1 鎖)、IgG2a(γ2a 鎖)、IgG2b(γ2b 鎖)、IgG3(γ3 鎖)、IgA1(α1 鎖)、IgA2(α2 鎖)
  • タイプ (L 鎖の違いによる): κ(カッパ)、λ(ラムダ)
  • サブタイプ (L 鎖の違いによる): λ1、λ2、λ3、λ4

3. 同じ IgG 抗体であってもさまざまな製品名のものがあります。それはなぜですか?

二次抗体の製品名の Anti-IgG の後にある H&L、Fc などは、その抗体が結合する一次抗体分子上の領域を示します。その反応性は次の通りです。

  • 「Anti-Immunogloblin」と表記されている製品は、IgG のみならず、あらゆるクラスの抗体に反応します。
  • 「Anti-IgG H&L」と表記されている製品が、最も一般的な二次抗体と言えます。一次抗体 IgG のすべてのサブクラス(マウスの場合 IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3)において、H 鎖と L 鎖の両方と反応します。
  • 「Anti-IgG Fc」と表記されている製品は、H 鎖の Fc 領域にのみ反応します。
  • κ および λ は L 鎖の種類です。L 鎖はすべてのクラスで共通なので、κ および λ に対する抗体は、どのクラスの抗体とも反応する可能性があります。

一次抗体のクラスと動物種を正しく反応する抗体を用いれば、上記のうちどのような製品をえらんでも、基本的には問題はありません。


4. どのように標識物を選べばいいですか?

選ぶべき標識物の種類は実験内容によって異なります。例えばウエスタン・ブロッティングや ELISA で最も多く使用される二次抗体は、酵素標識抗体です。免疫組織染色も酵素をベースとした発色系を行うことが多いですが、感度を高めるためアビジン-ビオチン反応を応用したシグナル増幅系を採用する場合には、ビオチン標識抗体を用います。

フローサイトメトリーや蛍光細胞染色など、複数のターゲットを同時かつ個別に検出するアプリケーションにおいては、蛍光標識抗体を使用するのが一般的です。蛍光についてはその原理を「蛍光とは」でご紹介しています。また代表的な蛍光色素 Alexa Fluor® については「Alexa Fluor® ポータル」をご参照ください。

さらに詳しく二次抗体標識物の選び方


5. Pre-adsorbed(吸着処理済み)二次抗体とは何ですか?またどのような時に使用するのですか?

「血清吸着処理済み」の二次抗体製品です。抗体を各種動物由来の血清と反応させることにより、動物血清成分と反応するような分子を予め除去してあります。血液、あるいは血液を内在的に多く含むような組織をサンプルとして実験を行う場合に、このような製品を用いると、二次抗体と内在性の成分の反応によるバックグランドの上昇を抑えることができます。サンプルと同じ動物種の血清で吸着させたものが望ましく、例えばサンプルがヒト組織の場合はヒト血清吸着済みの二次抗体を選びます。

さらに詳しくPre-adsorbed(血清吸着済み)二次抗体


6.「IgG 画分」製品と「アフィニティ精製」製品との違いは何ですか?

ポリクローナル抗体はウサギ、ヤギ、ヒツジ、ロバなどといった動物の血清から得られますが、その血清からプロテイン A などを用いて IgG イムノグロブリンのみを精製したのが「IgG 画分」製品で、ターゲット分子とは反応しない抗体も含みます。「アフィニティ精製」製品はターゲット分子と反応する抗体のみをアフィニティ・カラムを用いて精製したもので、IgG 画分よりも高い特異性を有します。しかしながら反応性の強さという点では、IgG 画分の方が優れている場合があります。その理由の一つは、アフィニティ精製の場合、非常に高い親和性を有する抗体分子がカラムから溶出されにくく、製品に含まれないことがあるからです。


7. F(ab) および F(ab')2 フラグメント製品とは何ですか?またどのような時に使用するのですか?

F(ab) は抗体(イムノグロブリン)分子から Fc 領域を除いたもので、F(ab')2 は Fab が -S-S- 結合でつながり 2 価になったものです(右図をご参照ください)。一次抗体の Fc 領域は、サンプル中のマクロファージなどの免疫細胞表面上の Fc レセプターと非特異的に結合する可能性がありありますが、F(ab) や F(ab')2 製品にはこのような反応はなく、免疫細胞を含んだサンプルを使用する場合に有用です。また F(ab) と F(ab')2 は共に分子のサイズが小さいため、細胞内や組織内に浸透しやすいという特長もあります。

さらに詳しくイムノグロブリン・フラグメント F(ab) / F(ab')2


ここで紹介した内容は A5 判のカード、"Understanding secondary antibodies"(英文)になっており、PDF ファイルが こちらからダウンロードできます。


「二次抗体標識物の選び方」、「イムノグロブリンフラグメント F(ab) / F(ab')2 とは何か?」、「Pre-adsorbed 抗体のメリット」 といった技術情報や、Alexa Fluor® 標識抗体といった製品情報など、アブカムの二次抗体に関する情報をまとめた二次抗体ポータルのページをご活用ください。


トラブルシューティング、FAQ(よくある質問)、Webinar(オンライン・セミナー)など、アブカムのウェブサイト上の技術情報を、ウェスタンブロット、免疫組織染色、フローサイトメトリーなどのアプリケーションごとにまとめた、便利なアプリケーション別技術情報のページをご活用ください。


二次抗体を選定する時によくある質問 FAQ をまとめました。

  1. 一次抗体の「ホスト(Host)」とは何ですか?
  2. 一次抗体の「アイソタイプ(Isotype)」とは何ですか?
  3. 同じ IgG 抗体であってもさまざまな製品名のものがあります。それはなぜですか?
  4. どのように標識物を選べばいいですか?
  5. Pre-adsorbed(吸着処理済み)二次抗体とは何ですか? またどのような時に使用するのですか?
  6. 「IgG 画分」製品と「アフィニティ精製」製品との違いは何ですか?
  7. F(ab) 抗体や F(ab')2 抗体はどのような時に使用するのですか?

1. 一次抗体の「ホスト(Host)」とは何ですか?

抗体の産生に用いられた免疫動物のことです。一次抗体のホスト動物のイムノグロブリンが、二次抗体のターゲットとなります。例えば一次抗体のホストがウサギの場合、二次抗体として抗ウサギ IgG などを選びます(例:一次抗体が抗 Ki67 ウサギ・ポリクローナル抗体(ab15580)の場合、二次抗体として HRP 標識抗ウサギ IgG H&L ヤギ・ポリクローナル抗体(ab6721)などを選ぶ)。

さらに詳しく: 一次抗体ホスト別のオススメ二次抗体リスト


2. 一次抗体の「アイソタイプ(Isotype)」とは何ですか?

抗体(イムノグロブリン・タンパク質)の構造上の違いによる分類で、クラス分類(IgG、IgM 等)やサブクラス分類(IgG1、IgG2a 等)などがあります。一次抗体のアイソタイプが、二次抗体のターゲットとなります。

モノクローナル抗体では通常、データシートにアイソタイプが記載されています(その多くが IgG または IgM です)。一次抗体がモノクローナル抗体の場合、二次抗体にはそのクラスに対する抗体を選びます。マウス IgG は IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3 の 4 つのサブクラスに分類されますが、データシートにこの情報まで記載されている時には、二次抗体にそのサブクラスに対する抗体を選ぶこともできます。例えば一次抗体のアイソタイプが IgG1 であれば、二次抗体として抗マウス IgG1 を選べます(もちろんすべてのサブクラスと反応する抗マウス IgG を選ぶこともできます)。

ポリクローナル抗体には複数のアイソタイプが含まれている可能性がありますが、その多くは IgG です。したがって一次抗体がポリクローナル抗体の場合、二次抗体には抗 IgG 抗体を選べば問題ありません。

参考: マウス抗体(イムノグロブリン)のクラス、サブクラス、タイプ、サブタイプの種類

  • クラス(H 鎖の違いによる): IgG(γ 鎖)、IgM(μ 鎖)、IgA(α 鎖)、IgE(ε 鎖)、IgD(δ 鎖)
  • サブクラス(H 鎖の違いによる): IgG1(γ1 鎖)、IgG2a(γ2a 鎖)、IgG2b(γ2b 鎖)、IgG3(γ3 鎖)、IgA1(α1 鎖)、IgA2(α2 鎖)
  • タイプ (L 鎖の違いによる): κ(カッパ)、λ(ラムダ)
  • サブタイプ (L 鎖の違いによる): λ1、λ2、λ3、λ4

3. 同じ IgG 抗体であってもさまざまな製品名のものがあります。それはなぜですか?

二次抗体の製品名の Anti-IgG の後にある H&L、Fc などは、その抗体が結合する一次抗体分子上の領域を示します。その反応性は次の通りです。

  • 「Anti-Immunogloblin」と表記されている製品は、IgG のみならず、あらゆるクラスの抗体に反応します。
  • 「Anti-IgG H&L」と表記されている製品が、最も一般的な二次抗体と言えます。一次抗体 IgG のすべてのサブクラス(マウスの場合 IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3)において、H 鎖と L 鎖の両方と反応します。
  • 「Anti-IgG Fc」と表記されている製品は、H 鎖の Fc 領域にのみ反応します。
  • κ および λ は L 鎖の種類です。L 鎖はすべてのクラスで共通なので、κ および λ に対する抗体は、どのクラスの抗体とも反応する可能性があります。

一次抗体のクラスと動物種を正しく反応する抗体を用いれば、上記のうちどのような製品をえらんでも、基本的には問題はありません。


4. どのように標識物を選べばいいですか?

選ぶべき標識物の種類は実験内容によって異なります。例えばウエスタン・ブロッティングや ELISA で最も多く使用される二次抗体は、酵素標識抗体です。免疫組織染色も酵素をベースとした発色系を行うことが多いですが、感度を高めるためアビジン-ビオチン反応を応用したシグナル増幅系を採用する場合には、ビオチン標識抗体を用います。

フローサイトメトリーや蛍光細胞染色など、複数のターゲットを同時かつ個別に検出するアプリケーションにおいては、蛍光標識抗体を使用するのが一般的です。蛍光についてはその原理を「蛍光とは」でご紹介しています。また代表的な蛍光色素 Alexa Fluor® については「Alexa Fluor® ポータル」をご参照ください。

さらに詳しく二次抗体標識物の選び方


5. Pre-adsorbed(吸着処理済み)二次抗体とは何ですか?またどのような時に使用するのですか?

「血清吸着処理済み」の二次抗体製品です。抗体を各種動物由来の血清と反応させることにより、動物血清成分と反応するような分子を予め除去してあります。血液、あるいは血液を内在的に多く含むような組織をサンプルとして実験を行う場合に、このような製品を用いると、二次抗体と内在性の成分の反応によるバックグランドの上昇を抑えることができます。サンプルと同じ動物種の血清で吸着させたものが望ましく、例えばサンプルがヒト組織の場合はヒト血清吸着済みの二次抗体を選びます。

さらに詳しくPre-adsorbed(血清吸着済み)二次抗体


6.「IgG 画分」製品と「アフィニティ精製」製品との違いは何ですか?

ポリクローナル抗体はウサギ、ヤギ、ヒツジ、ロバなどといった動物の血清から得られますが、その血清からプロテイン A などを用いて IgG イムノグロブリンのみを精製したのが「IgG 画分」製品で、ターゲット分子とは反応しない抗体も含みます。「アフィニティ精製」製品はターゲット分子と反応する抗体のみをアフィニティ・カラムを用いて精製したもので、IgG 画分よりも高い特異性を有します。しかしながら反応性の強さという点では、IgG 画分の方が優れている場合があります。その理由の一つは、アフィニティ精製の場合、非常に高い親和性を有する抗体分子がカラムから溶出されにくく、製品に含まれないことがあるからです。


7. F(ab) および F(ab')2 フラグメント製品とは何ですか?またどのような時に使用するのですか?

F(ab) は抗体(イムノグロブリン)分子から Fc 領域を除いたもので、F(ab')2 は Fab が -S-S- 結合でつながり 2 価になったものです(右図をご参照ください)。一次抗体の Fc 領域は、サンプル中のマクロファージなどの免疫細胞表面上の Fc レセプターと非特異的に結合する可能性がありありますが、F(ab) や F(ab')2 製品にはこのような反応はなく、免疫細胞を含んだサンプルを使用する場合に有用です。また F(ab) と F(ab')2 は共に分子のサイズが小さいため、細胞内や組織内に浸透しやすいという特長もあります。

さらに詳しくイムノグロブリン・フラグメント F(ab) / F(ab')2


ここで紹介した内容は A5 判のカード、"Understanding secondary antibodies"(英文)になっており、PDF ファイルが こちらからダウンロードできます。


「二次抗体標識物の選び方」、「イムノグロブリンフラグメント F(ab) / F(ab')2 とは何か?」、「Pre-adsorbed 抗体のメリット」 といった技術情報や、Alexa Fluor® 標識抗体といった製品情報など、アブカムの二次抗体に関する情報をまとめた二次抗体ポータルのページをご活用ください。


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