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ウエスタン・ブロッティング 10 のポイント

NEWS ポイントを解説したフライヤー (A4サイズ / 4ページ) の PDF ダウンロードは こちら から。

抗体を使用する実験で最も多く行われているのは、ウエスタン・ブロッティングであると言われています。

そのウエスタン・ブロッティングを成功させるための、

10 のポイントをご紹介します。

1. 適切なポジティブ・コントロールを使用する

実験の操作が正しかったかどうかを確認するために、また抗体が確実に反応しているかどうかを評価するために、ポジティブ・コントロール・サンプルのレーンを加えてください。ポジティブ・コントロールとしては、ターゲット・タンパク質が発現していることが明らかな細胞・組織のライゼートを用いるのが一般的です。使用する抗体に適したポジティブ・コントロールは、データシートに記載されている場合は、それに従ってください。記載されていない場合には、下記をご参照ください。

  • 使用する抗体のデータシートに Abreview(実際に使用した研究者さんが投稿したレビュー)が記載されているかどうかをご確認ください。反応が認められているレビューに使用されているサンプルは、ポジティブ・コントロールとして使える可能性が高いと思われます。
  • 使用する抗体のデータシートにリンクが記載されている Swiss-Prot などのデータベースを利用し、ターゲット・タンパク質の発現している細胞を調べてください。また様々な細胞における各種タンパク質の発現レベルがまとめられた、GeneCards のデータベースもご参照ください。
  • PubMed で文献を検索してみてください。

ポジティブ・コントロールになり得る細胞・組織がみつかったら、入手した上でライゼートを調製してください。または市販のライゼート製品を利用してください。

なお、市販のリコンビナント・タンパク質もポジティブ・コントロールとなり得ます。ただし全長か部分長か、タグが付与されているかいないかなど、製品の性状によっては現れるバンドの位置がネイティブなタンパク質と異なりますので、ご注意ください。

◆ 細胞ライゼートおよび組織ライゼート

2. 電気泳動のゲル濃度はタンパク質の分子量に応じて選択する

ゲル(アクリルアミド)濃度は、ターゲット・タンパク質の分子量が大きいほど低い濃度のものを選択します。下表をご参照ください。

分子量(kDa)4 - 4012 - 4510 - 7015 - 100
アクリルアミド濃度20 %15 %12.5 %10 %

◆ Optiblot SDS-PAGE Gel

3. サンプルのタンパク質は還元・変性処理する

アブカムの抗体で、データシートでウエスタン・ブロッティングに使用できると記載されているものは、特に断りがない場合、サンプルのタンパク質は SDS や LDS などの変性剤と β- メルカプトエタノールや DTT などの還元剤で処理をした後に、電気泳動に供しています。

◆ LDS Sample buffer
◆ DTT Reducer

4. サンプルのアプライ量はサンプルのタイプによって決める

精製タンパク質の場合 1 レーンあたり 10-100 ng、ライゼートの場合 1 レーンあたり 20-30 ug が目安となります。ライゼートの場合これを標準とし、ターゲット・タンパク質の発現量が高いと考えられる場合は量を減らし、発現量が低いと考えられる場合は量を増やしてください。

◆ BCA タンパク質定量キット
◆ Bradford タンパク質定量キット

5. メンブレンは決して乾燥させてはならない

転写後のメンブレンを乾燥させると、抗体や発色剤の反応にムラが出て、灰色や黒の点やシミを作ることがあります。

6. ブロッキング剤は慎重に選ぶ

広く用いられているブロッキング剤としては BSA とスキムミルクがあり、共に 5 % 程度で使用します。一般的に BSA の方が、スキムミルクよりも安定してきれいな結果が得られますので、こちらをお勧めします。ただし経済的にはスキムミルクの方が有利であり、また問題なく使用できるターゲット・タンパク質や抗体も数多くありますので、状況によって使い分けてください。

◆ Blocking buffer (Casein base)
◆ Sea Block Buffer (Non-mammalian base)

7. ローディング・コントロール抗体を使用する

電気泳動がきちんと行われているか、メンブレンへの転写が確実にされているか、といった基本的な操作を確認するため、抗体のポジティブ・コントロールとして、ローディング・コントロール抗体の使用をお勧めします。ローディング・コントロール抗体としては、細胞に一定量必ず含まれている(発現している)タンパク質、例えば GAPDH やβ-アクチン等の、ハウスキーピング・タンパク質に対する抗体などが用いられます。

◆ ローディング・コントロール抗体ガイド

8. 最適な抗体濃度をみつける

データシートにその抗体に固有の使用濃度が記載されている場合、まずはその濃度で使用してください。使用濃度が記載されていない場合、抗体製品の性状が培養上清などのため製品中の抗体濃度が不明である場合などは、下表をご参照の上、お試しください。その結果シグナルが低い場合は抗体の濃度を上げる、バックグランドが高い場合は抗体の濃度を下げる、などの調整をしてください。

製品の性状
(推定抗体濃度)

培養上清
(1 - 3 mg/ml)

腹水
(5 - 10 mg/ml)

全血清
(1 - 10 mg/ml)

精製抗体

ウエスタン・ブロッティング1/1001/10001/5001 ug/ml
免疫組織染色 / 免疫細胞染色1/10 - 1/11/1001/100 - 1/505 ug/ml
フローサイトメトリー1/1001/10001/5001 ug/ml
免疫沈降1/1001/100 - 1/501 - 10 ug/ml
ELISA-検出抗体1/10001/100001/5000.1 ug/ml
ELISA-固相用抗体適さない適さない適さない1 - 10 ug/ml

9. 一次抗体の反応で「4℃ Overnight」を試す

一次抗体の反応は、室温数時間という条件で行うことが多いと思いますが、もしそれで満足のいく結果が得られなかった場合には、4℃ Overnight を試してみてください。この条件は反応効率がよく、得られる像が鮮明です。ただしこれはあくまでも一般論で、室温での反応の方がいい結果が得られる場合もあります。抗体の特性に実験スケジュールを加味し、ご検討ください。

10. 得られたバンドの分子量の確認には注意が必要

タンパク質の電気泳動はさまざまな要因に影響を受けるため、得られたバンドの位置が予想される位置とは異なってくる場合があります。以下にその原因の例を示します。

  • 翻訳後修飾のため: リン酸化や糖鎖付加などによって、タンパク質の分子量が大きくなる場合があります。
  • 翻訳後開裂のため: pro-Caspase のように選択的に切断されることによって、タンパク質の分子量が小さくなる場合があります。
  • スプライス変異のため: 選択的スプライシングにより、同じ遺伝子から複数の分子量のタンパク質が生産される場合があります。
  • 相対的な電荷のため: 荷電性アミノ酸と非荷電性アミノ酸の組成比の違いにより、同じような分子量のタンパク質であってもゲル中の移動度が大きく異なる場合があります。
  • 多量体の存在によって: 相互作用によるタンパクの二量体化、多量体化は還元条件下では起こりにくいですが、その相互作用が非常に強いと還元条件下でも起こる可能性があり、その結果分子量が見かけ上大きくなります。

以上の内容につきましてご質問等がありましたら、テクニカル・サポートまでメール technical@abcam.co.jp または電話(03-6231-0940)でお問い合わせください。

ウエスタン・ブロッティング関連リンク


技術情報一覧

FAQ

Trouble
shooting

RabMAb 標準
プロトコール

コントロール

蛍光 WB

製品情報

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抗体を使用する実験で最も多く行われているのは、ウエスタン・ブロッティングであると言われています。

そのウエスタン・ブロッティングを成功させるための、

10 のポイントをご紹介します。

1. 適切なポジティブ・コントロールを使用する

実験の操作が正しかったかどうかを確認するために、また抗体が確実に反応しているかどうかを評価するために、ポジティブ・コントロール・サンプルのレーンを加えてください。ポジティブ・コントロールとしては、ターゲット・タンパク質が発現していることが明らかな細胞・組織のライゼートを用いるのが一般的です。使用する抗体に適したポジティブ・コントロールは、データシートに記載されている場合は、それに従ってください。記載されていない場合には、下記をご参照ください。

  • 使用する抗体のデータシートに Abreview(実際に使用した研究者さんが投稿したレビュー)が記載されているかどうかをご確認ください。反応が認められているレビューに使用されているサンプルは、ポジティブ・コントロールとして使える可能性が高いと思われます。
  • 使用する抗体のデータシートにリンクが記載されている Swiss-Prot などのデータベースを利用し、ターゲット・タンパク質の発現している細胞を調べてください。また様々な細胞における各種タンパク質の発現レベルがまとめられた、GeneCards のデータベースもご参照ください。
  • PubMed で文献を検索してみてください。

ポジティブ・コントロールになり得る細胞・組織がみつかったら、入手した上でライゼートを調製してください。または市販のライゼート製品を利用してください。

なお、市販のリコンビナント・タンパク質もポジティブ・コントロールとなり得ます。ただし全長か部分長か、タグが付与されているかいないかなど、製品の性状によっては現れるバンドの位置がネイティブなタンパク質と異なりますので、ご注意ください。

◆ 細胞ライゼートおよび組織ライゼート

2. 電気泳動のゲル濃度はタンパク質の分子量に応じて選択する

ゲル(アクリルアミド)濃度は、ターゲット・タンパク質の分子量が大きいほど低い濃度のものを選択します。下表をご参照ください。

分子量(kDa)4 - 4012 - 4510 - 7015 - 100
アクリルアミド濃度20 %15 %12.5 %10 %

◆ Optiblot SDS-PAGE Gel

3. サンプルのタンパク質は還元・変性処理する

アブカムの抗体で、データシートでウエスタン・ブロッティングに使用できると記載されているものは、特に断りがない場合、サンプルのタンパク質は SDS や LDS などの変性剤と β- メルカプトエタノールや DTT などの還元剤で処理をした後に、電気泳動に供しています。

◆ LDS Sample buffer
◆ DTT Reducer

4. サンプルのアプライ量はサンプルのタイプによって決める

精製タンパク質の場合 1 レーンあたり 10-100 ng、ライゼートの場合 1 レーンあたり 20-30 ug が目安となります。ライゼートの場合これを標準とし、ターゲット・タンパク質の発現量が高いと考えられる場合は量を減らし、発現量が低いと考えられる場合は量を増やしてください。

◆ BCA タンパク質定量キット
◆ Bradford タンパク質定量キット

5. メンブレンは決して乾燥させてはならない

転写後のメンブレンを乾燥させると、抗体や発色剤の反応にムラが出て、灰色や黒の点やシミを作ることがあります。

6. ブロッキング剤は慎重に選ぶ

広く用いられているブロッキング剤としては BSA とスキムミルクがあり、共に 5 % 程度で使用します。一般的に BSA の方が、スキムミルクよりも安定してきれいな結果が得られますので、こちらをお勧めします。ただし経済的にはスキムミルクの方が有利であり、また問題なく使用できるターゲット・タンパク質や抗体も数多くありますので、状況によって使い分けてください。

◆ Blocking buffer (Casein base)
◆ Sea Block Buffer (Non-mammalian base)

7. ローディング・コントロール抗体を使用する

電気泳動がきちんと行われているか、メンブレンへの転写が確実にされているか、といった基本的な操作を確認するため、抗体のポジティブ・コントロールとして、ローディング・コントロール抗体の使用をお勧めします。ローディング・コントロール抗体としては、細胞に一定量必ず含まれている(発現している)タンパク質、例えば GAPDH やβ-アクチン等の、ハウスキーピング・タンパク質に対する抗体などが用いられます。

◆ ローディング・コントロール抗体ガイド

8. 最適な抗体濃度をみつける

データシートにその抗体に固有の使用濃度が記載されている場合、まずはその濃度で使用してください。使用濃度が記載されていない場合、抗体製品の性状が培養上清などのため製品中の抗体濃度が不明である場合などは、下表をご参照の上、お試しください。その結果シグナルが低い場合は抗体の濃度を上げる、バックグランドが高い場合は抗体の濃度を下げる、などの調整をしてください。

製品の性状
(推定抗体濃度)

培養上清
(1 - 3 mg/ml)

腹水
(5 - 10 mg/ml)

全血清
(1 - 10 mg/ml)

精製抗体

ウエスタン・ブロッティング1/1001/10001/5001 ug/ml
免疫組織染色 / 免疫細胞染色1/10 - 1/11/1001/100 - 1/505 ug/ml
フローサイトメトリー1/1001/10001/5001 ug/ml
免疫沈降1/1001/100 - 1/501 - 10 ug/ml
ELISA-検出抗体1/10001/100001/5000.1 ug/ml
ELISA-固相用抗体適さない適さない適さない1 - 10 ug/ml

9. 一次抗体の反応で「4℃ Overnight」を試す

一次抗体の反応は、室温数時間という条件で行うことが多いと思いますが、もしそれで満足のいく結果が得られなかった場合には、4℃ Overnight を試してみてください。この条件は反応効率がよく、得られる像が鮮明です。ただしこれはあくまでも一般論で、室温での反応の方がいい結果が得られる場合もあります。抗体の特性に実験スケジュールを加味し、ご検討ください。

10. 得られたバンドの分子量の確認には注意が必要

タンパク質の電気泳動はさまざまな要因に影響を受けるため、得られたバンドの位置が予想される位置とは異なってくる場合があります。以下にその原因の例を示します。

  • 翻訳後修飾のため: リン酸化や糖鎖付加などによって、タンパク質の分子量が大きくなる場合があります。
  • 翻訳後開裂のため: pro-Caspase のように選択的に切断されることによって、タンパク質の分子量が小さくなる場合があります。
  • スプライス変異のため: 選択的スプライシングにより、同じ遺伝子から複数の分子量のタンパク質が生産される場合があります。
  • 相対的な電荷のため: 荷電性アミノ酸と非荷電性アミノ酸の組成比の違いにより、同じような分子量のタンパク質であってもゲル中の移動度が大きく異なる場合があります。
  • 多量体の存在によって: 相互作用によるタンパクの二量体化、多量体化は還元条件下では起こりにくいですが、その相互作用が非常に強いと還元条件下でも起こる可能性があり、その結果分子量が見かけ上大きくなります。

以上の内容につきましてご質問等がありましたら、テクニカル・サポートまでメール technical@abcam.co.jp または電話(03-6231-0940)でお問い合わせください。

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