All tags Antibody guide 抗体ガイド 7. 抗原ペプチドの設計

抗体ガイド 7. 抗原ペプチドの設計

抗体作製における抗原としてのペプチドの、設計と選択についてのヒントです。

  • 抗原ペプチドとしての適否には、元となるタンパク質の化学的、物理的、構造的なさまざまな特性と、それらの組み合わせが影響を与えます。そのため抗原ペプチドの設計は複雑で、現在では 3D 構造の予測を含むコンピューター・プログラムを使用するのが一般的になっています。
  • プログラムを使用するに当たって、タンパク質の機能や構造などの基本データを入手する場合には、UniprotKB のウェブサイトが便利です。
  • ファミリー・タンパク質など共通あるいは類似の配列を有するドメインや、種を超えて保存されやすい、機能を有するドメインは、抗原として不適です。
  • α アルファ・ヘリックス(Alpha helix)や β シート(Beta sheet)などの領域は、構造が複雑で抗体が接近しにくいため、抗原として不適です。
  • タンパク質には親水性の領域と疎水性の領域がありますが、親水性領域の方が抗原として適切です。膜タンパクの細胞膜表面に露出した領域は親水性で、構造的に柔軟性が高く、抗原としてよく用いられます。β ターン(Beta turn)やループ(Loop)の構造をとる領域、タンパク質の N 末端や C 末端の領域も、構造的に柔軟性が高く、抗原としてよく用いられます。
  • ペプチドの長さは、10 - 20 アミノ酸適度が適当です。それより短いと免疫原性(抗体産生能)が低くなり、それより長いと得られた抗体の特異性が低くなる可能性があります。
  • 疏水性アミノ酸が多い長いペプチドは、水溶性が低く扱いにくいので避けてください。水溶性を高めるために N 末端または C 末端に 1 - 2 個の親水性アミノ酸を人工的に付加することもあります。
  • N 末端がグルタミン Gln またはアスパラギン Asn であるペプチド、C 末端がプロリン Pro またはグリシン Gly であるペプチドは、避けてください。
  • セリン Ser で置き換えが可能な内部のシステイン Cys と、3 個以上連続するセリン Ser やプロリン Pro は避けてください。また複数のグルタミン Gln 残基は、ペプチド間の水素結合を引き起こす可能性があるため避けてください。
  • 上記のような望ましくないアミノ酸残基を避けるため、残基を置換することもあります。
  • アルギニン-グリシン-アスパラギン酸 Arg-Gly-Asp のトリペプチド配列(RGDモチーフ)、小分子結合部位、生物学的に活性な領域、翻訳後修飾される部位などは避けてください。
  • ペプチドの末端にシステイン Cys を付加し、そのスルフィド基(SH 基)を利用してキャリア・タンパク質への結合を簡単に行うことができます。ペプチドがタンパク質の N 末端に由来する場合、システインはペプチドの C 末端側に、ペプチドがタンパク質の C 末端に由来する場合、システインはペプチドの N 末端側に、それぞれ付加してください。


抗体ガイドに戻る

抗体ガイド次のページ:8. 抗体の選び方

登録