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MMP-9 発現誘導プロトコール

PMA による細胞の MMP-9発現誘導と、その後の解析で用いるライゼートの調製プロトコールです。

多くの細胞株では MMP-9 (Matrix metalloproteinase-9、マトリックス・メタロプロテアーゼ 9)タンパク質の発現レベルは低いので、その発現を誘導しなくてはならない場合があります。その方法としては、プロテイン・キナーゼ C のアクチベーターとして知られるホルボール・エステルの一種である、ホルボール・ミリスタート・アセタート(Phorbol myristate acetate; PMA)による刺激がよく用いられます。

PDF 版プロトコールはこちらをご覧ください(英文)。

PMA による刺激

以下は浮遊細胞である U937 細胞を用いる場合のプロトコールです。別の細胞を用いる場合には、個別に条件設定が必要な場合があります。

  1. 細胞を 2 mM グルタミンおよび 10 % FBS を含む RPMI 1640 培地で、37 ℃ にて培養する。

  2. 細胞密度が 0.5~1 x 106 cells/mL に達したら、培地20 mL 分(約 2 x 107 cells)を新しいフラスコまたはプレートに移し、培地に PMA(ab120297)を最終濃度 10 ng/mL となるように加える。
  3. 37 ℃ で 21 時間培養後、培地に Brefeldin A(ab120299ab193369)を終濃度 3 µg/mL になるように加え、さらに 3 時間培養する(Brefeldin A 処理により、タンパク質の分泌が抑制される)。
  4. 遠心分離により細胞を集め、PBS で洗浄する。

  5. 細胞ペレットを液体窒素で急速凍結する。

    細胞はウエスタンブロット用に直ちに溶解するか、または -80 ℃ で保存する。

細胞の溶解(ライゼートの調製)

  1. 凍結した細胞ペレットに、氷冷した 300 µL の細胞溶解バッファーを加え、ゆるやかにピペッティングして再懸濁する。

    もし細胞の凝集が残るようであれば、10 秒間ボルテックスし、チューブを 3 分間氷上に置いた後、再度懸濁を試みる。
  2. チューブを 10 分間氷上に置いた後、凝集がなくなるまでさらにピペッティングを行う。

  3. 40 秒間 3 サイクル、超音波処理を行なう。超音波処理は沈殿物が認められなくなるまで繰り返す。

    うまく調製できたライゼートは淡く黄色味を帯びている。
  4. 8000 RCF で 4 ℃、10 分間の遠心分離を行う。沈殿物が混ざらないように十分注意して、上清だけを新しいチューブに移す。

  5. 上清(ライゼート)は直ちにウエスタンブロットに用いるか、または -80 ℃ で保存する。


細胞溶解バッファー

予めプロテアーゼ・インヒビターを加えておくこと。



NaCl150 mM
NP-40 もしくは Triton X-1001.0%
デオキシコール酸ナトリウム0.5%
SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)0.1%
Tris, pH 8.050 mM





参考文献

Roomi MW, Monterrey JC, Kalinovsky T, Rath M, Niedzwiecki A. Patterns of MMP-2 and MMP-9 expression in human cancer cell lines. Oncol Rep. 21, 1323–1333 (2009).