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血球計算盤を用いた細胞数のカウント法

血球計数板(Hemocytometer; ヘモサイトメーター)を用いて培養細胞中の生存細胞数をカウントするプロトコールをご紹介します。


PDF 版のプロトコール(英語)は こちら


血球計算盤の準備

  1. ガラス製の血球計算盤とカバースリップを使用する場合は、使用前に共にエタノールで洗浄し、風乾させておく。カバースリップを軽く水で湿らせ、血球計算盤に密着させる。適切に密着していれば、カバースリップの下にニュートン・リング(虹のような環)を見ることができる。
  2. ディスポーザブルの血球計算盤(INCYTO DHC-N01 など)を使用する場合は、使用前に包装から出すだけでよい(洗浄の必要はない)。


サンプルの調製

  1. 細胞を均一に分散させるために、フラスコを静かに旋回させる。
  2. 細胞が沈降する前に、5 mL の滅菌ピペットを用いて約 0.5 mL の細胞懸濁液を取り、エッペンドルフ・チューブに入れる。
  3. チューブから正確に 100 μL 分の細胞懸濁液を取り、別のエッペンドルフ・チューブに入れ、そこに PBS または生理食塩水で希釈した 0.4 % トリパンブルー(Trypan Blue)溶液 400 μL を加える(5 倍希釈となる)。静かに混和し、すぐにカウントに移る。


カウント

  1. トリパンブルーを加えた細胞懸濁液 100 μL をピペットで取り、カウンティング・チャンバー(血球計算盤とカバースリップの隙間)に満たす。液を満たす際は毛細管現象を利用して静かに行い、決して無理に流し込んではいけない。
  2. 10 倍対物レンズの顕微鏡を用い、フォーカスを血球計算盤のグリッドライン合わせる。
  3. 16 個の正方形から成る 1 区画(図1)内の生細胞(トリパンブルーが取り込まれていない透明な細胞)を、カウンター(Hand tally counter)でカウントする。4 辺の境界線上にある細胞は、2 辺(例えば下と右)のみカウントする。なお細胞の生存率を計算する場合は、トリパンブルーを取り込んで染色された死細胞も別途カウントする。
  4. 同じ作業を、4 隅にある 4 箇所の区画について行う。


生存率

生細胞数の計算

  1. 4 箇所の細胞数の平均を求める。
  2. 平均値を 10,000(104)倍する(カウンティング・チャンバー内 1 区画に該当する液量が 10-4 mL であるため)。
  3. その値を 5 倍する(トリパンブルー溶液で 5 倍希釈しているため)。


この値が細胞懸濁液中の 1 mL あたりの生存細胞数(細胞濃度 cells/mL)となる。


計算例: 

  • 4 区画それぞれでカウントされた細胞数が 50、40、45、52 であった場合
  • (50 + 40 + 45 +52) ÷ 4 = 46.75
  • 46.75 x 10,000 = 467,500
  • 467,500 x 5 = 2,337,500 = 2.34 x 106(cells/mL)


細胞生存率の計算

  1. 生細胞数と死細胞数を上記計算法それぞれ求め、足した値を全細胞数とする。
  2. 生細胞数を全細胞数で割る。


計算例:

  • 生細胞が 2,337,500(cells/mL)、死細胞が 50,000(cells/mL)であった場合
  • 2,337,500 + 50,000 = 2,387,500(cells/mL)

2,337,500 ÷ 2,387,500 x 100 = 97.9(細胞生存率 %)


図1. 血球計算盤のグリッドラインと 1 区画
4 隅にある 16 個の正方形を 1 区画としてカウントする。

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