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アフィニティ精製とは?

アフィニティ精製 Affinity purification とは、ターゲット分子と特異的かつ可逆的に結合する分子(リガンド)の反応を利用して、ターゲット・タンパク質あるいはその複合体を分離・精製する手法です。

免疫沈降(IP)、クロマチン免疫沈降(ChIP)、プルダウン・アッセイなどの実験で用いられている精製法が、アフィニティ精製です。精製には、ターゲット分子に対するリガンドを、アガロースや Sepharose® などを原料としたクロマトグラフィー担体に共有結合により固層化した、アフィニティ精製カラムを使用します。ターゲット分子とリガンドの結合(相互作用)の特異性が高ければ、ターゲット分子の分離精製は、ゲルろ過やイオン・クロマトグラフィーなどよりも厳密に行うことができます。

生体内において特異性が高い結合としては、酵素-基質反応、抗原-抗体反応、アビジン-ビオチン反応、リガンドーレセプター反応などが知られていますが、これらはいずれもアフィニティ精製に利用されています。

融合タンパク質の精製

組み換えタンパク質の発現系においては、目的とするタンパク質をコードする遺伝子の末端に「タグ」と呼ばれる遺伝子配列を挿入し、目的タンパク質とタグ遺伝子産物(タグ・タンパク質)の融合タンパク質として発現・産生させる場合があります。これは目的タンパク質を簡便かつ高純度に精製するための有用な手法です。利用されるタグとしては Glutathione-S-Transferase(GST)、ポリヒスチジン(His タグ)、Green fluorescent protein(GFP)、Hemagglutinin(HA タグ)などがあります。

GST は基質であるグルタチオンと特異的に結合するので、GST タグ融合タンパク質はグルタチオン Sepharose(ab193267)を用いてアフィニティ精製することができます。また His タグはニッケルなどの金属イオンと親和性が高いので HA タグ融合タンパク質はニッケル結合・アガロースを用いてアフィニティ精製することができます。タグ・タンパク質に対する抗体を用いてアフィニティ精製を行う場合もあります。GFP 融合タンパク質は抗 GFP 抗体 Sepharose(ab69314)を用いて、HA タグ融合タンパク質は抗 HA 抗体 Agarose(ab215112)を用いて、それぞれアフィニティ精製を行うことができます。

凝固因子の精製

多糖類の一種であるヘパリンは、ラクトフェリンなどの血清タンパク質、エンドヌクレアーゼなどのDNA 結合タンパク質、アンチトロンビン III などの凝固因子など、生体内のさまざまなタンパク質と結合します。そのためこれらタンパク質の精製に、ヘパリン Sepharose(ab193268)を用いることができます。各タンパク質とヘパリンの親和性(アフィニティ)は、荷電状態によって大きく異なります。この性質を利用し、サンプル溶液の pH を変動させることにより、各タンパク質を分離精製することができます。

抗体の精製

バクテリア由来タンパク質である Protein A、Protein G、Protein L や、レクチンの一種 Jacalin は、イムノグロブリン(抗体)と強力に結合するため、血清、腹水、培養上清などといったサンプルからの抗体のアフィニティ精製に広く用いられています。ただしこれらタンパク質の結合の特異性は、イムノグロブリンのクラスおよび由来動物種によって異なりますので、これらタンパク質を利用して抗体を精製する場合には、目的とする抗体の種類によって適切なタンパク質を選ぶことが必要です。

特異性の詳細は、こちらをご覧ください。

またアブカムは、Protein A や Protein G をアガロース、Sepharose などに固定化した、抗体精製用のキット製品を多数ご用意しています。製品を選択する際には下記の表をご参照ください。またこちらの製品リストもご覧ください。

固定化リガンド結合特異性適用関連製品**
Protein AIgG免疫沈降
IgG 精製

Protein A agarose (ab193254)

Protein A agarose (High affinity) (ab193255)

Protein A Sepharose®
(ab193256)


Protein A Sepharose®
column (ab193257)
Protein GIgG免疫沈降
IgG 精製

Protein G agarose (high affinity) (ab193258)

Protein G Sepharose® (ab193259)

Protein G Sepharose®​ column (ab193260)

Protein L全イムノグロブリンおよび κL 鎖免疫沈降
イムノグロブリン精製

Protein L Sepharose® (ab193261)


Protein A/GIgG免疫沈降
IgG 精製

Protein A/G Sepharose® (ab193262)

Protein A/G Sepharose® column (ab193263)

Protein A/G/L全イムノグロブリンおよび κL免疫沈降
イムノグロブリン精製

Protein A/G/L Sepharose® (ab193264)

Protein A/G/L Sepharose® column (ab193265)

JacalinO グリコプロテイン(ヒト IgA1 および IgD など)

ヒト IgA 精製
IgG に混入している IgA の除去
IgA2IgA1 の分離


Jacalin Sepharose® (ab193266)

Sepharose® is a registered trademark of GE Healthcare. 




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