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Matched antibody pair kits(ELISA 用抗体ペア・キット)を用いたサンドイッチ ELISA の構築と測定

サンドイッチ ELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)は定量性、操作性に優れた方法で、手軽に使用できるキットが数多くの種類、市販されていますが(アブカムの SimpleStep ELISA® キット など)。しかしながら市販品の中心である 96 ウェル・マイクロプレートをベースとしたキットでは、1 キットあたり数十種類のサンプルしか測定することができません。アブカムの Matched antibody pair kits(ELISA 用抗体ペア・キット)は研究者自身でサンドイッチ ELISA を構築して測定するための製品で、数十~数百のサンプルを測定したい場合に適しています。

キットは 96 ウェル・マイクロプレート 10 枚分の以下の試薬から構成されています。

  • 捕捉抗体(固相化用抗体) Capture antibody
  • 検出抗体(ビオチン標識抗体) Biotinylated detector antibody
  • スタンダード用リコンビナント・タンパク質 Calibrated protein standard

アッセイを行なうにはこのキットに加え、96 ウェル・マイクロプレートなどの器具・消耗品や、ブロッキング・バッファー、発色剤などの試薬が必要です。これらは「アクセサリー・パック」として別売しています。またバラ売り品としても販売しています。

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アッセイの手順

  1. プレートの準備: 96 ウェル・マイクロプレートを用意する。推奨は Nunc Maxisorb 96-well plate(ab210903)。
  2. 補足抗体溶液の調製: 1 mg/mL の捕捉抗体を 2 µg/mL* になるようにコーティング・バッファー(Matched Antibody Pair Kit 1X ELISA Coating Buffer(ab210899)で 500 倍に希釈する(例:補足抗体 10 µL + コーティング・バッファー 4990 µL )。
  3. 補足抗体の固相化: 希釈した捕捉抗体溶液を 1 ウェルあたり 50 µL 添加する。次いでプレート・シールでウェルをカバーし、プレートをローテーターやシェーカーに置き、室温で 2 時間あるいは 4 ℃ で一晩インキュベートして抗体を固相化する。
  4. 抗体を固相化したプレートは原則としてただちに実験に使用する。ただし溶液を取り除いて乾燥させた後改めてシールでウェルをカバーすれば、4 ℃ で 2 週間まで保存ができる。
  5. プレートの洗浄: プレートの各ウェルを、洗浄液(10X Wash Buffer PT(ab206977)を 10 倍希釈して使用)で 3 回洗浄する。洗浄液の液量は 1 ウェルあたり 350 µL とし、最後のウォッシュ後吸水性のよいペーパータオルに叩きつけて、洗浄液を完全に取り除く。
  6. ブロッキング: ターゲット・タンパク質および検出抗体と、ウェルの壁面との非特異的結合を減らすことを目的とし、ブロッキングを行なう。ブロッキング・バッファー(Matched Antibody Pair Kit 10x Blocking Buffer(ab210904)を 10 倍希釈して使用)を 1 ウェルあたり 300 µL 添加する。次いでプレート・シールあるいはプレート・カバーでウェルをカバーし、室温で 2 時間あるいは 4 ℃ で一晩インキュベートする。

  7. 手順 8-12 でスタンダード(標準曲線)各濃度の溶液を調製する。
  8. スタンダード溶液の液量: 必要な液量は 1 ウェルあたり 50 µL なので、プレート 1 枚で 2 点測定を行なうためには一つの濃度あたり 100 µL 必要である。ただし後述の通り倍々希釈するため、最大濃度はその 2 倍量(上記の例では 200 µL)必要となる。また分注時のロスなどを考えて 10-20 % 程度余分に調製しておくこと。例えば必要量が 200 µL の場合は 200 x 1.2 = 240 µL 調製する。
  9. スタンダード・ストック溶液の調製: スタンダード用タンパク質に 100 µL の再蒸留水を加え、室温で 10 分間ゆるやかに撹拌して溶解させ、ストック溶液とする。タンパク質濃度は添付の COA(試験成績書)に記載されている。ストック溶液を保存する場合は、1 回の使用量ずつに分注し、-80 ℃ で保管すること。
  10. スタンダード用チューブの準備: チューブ 8 本を用意し、それぞれに「スタンダード 1~8」と記入し、手順 11 および 12 で使用する。
  11. スタンダードの調製 1: スタンダード最大濃度の溶液を、スタンダード 1 のチューブにて、ストック溶液をブロッキング・バッファーで希釈することによって調製する。例えば COA に記載されているタンパク質濃度が 100 pg/µL、スタンダードの最大濃度が 10 pg/µL、必要量が 240 µL であるならば、調製法はストック溶液 24 µL + ブロッキング・バッファー 216 µL となる(10 倍希釈)。
  12. スタンダードの調製 2: 6  種類の濃度のスタンダード溶液を、スタンダード 2~7 のチューブにて、最大濃度の溶液をブロッキング・バッファーで倍々に 6 回希釈することによって調製する(例えば最大濃度の溶液を調製したのであれば、この溶液 240 µL 調製したのであれば、この溶液 120 µL + ブロッキング・バッファー 120 µL)。スタンダード 8 のチューブはネガティブ・コントロールとし、ブロッキング・バッファーそのものとする。
  13. サンプル溶液の調製: ターゲット・タンパク質の濃度が標準曲線内に収まるよう、サンプルをブロッキング・バッファーで希釈する。サンプル中のターゲット・タンパク質濃度がどの程度か見当がつかない場合には、何種類かの希釈倍率を取ることが望ましい。なお必要な液量は 1 ウェルあたり 50 µL なので、プレート 1 枚で 2 点測定を行なうためには 100 µL 必要である。ただしスタンダード同様、分注時のロスなどを考えて 10-20 % 程度余分に調製しておくこと。
  14. スタンダードおよびサンプルの反応: 手順 6 でインキュベートしたプレートを、手順 5 と同様の方法で洗浄する。次いで各濃度のスタンダード溶液またはサンプル溶液を、1 ウェル当たり 50 µL 添加してプレートをシールでカバーし、400 rpm  シェーカー上で室温 1 時間インキュベートする。
  15. 検出抗体の反応: 手順 14 でインキュベートしたプレートを、手順 5 と同様の方法で洗浄する。次いでブロッキング・バッファーで 500 倍* に希釈した検出抗体を、1 ウェル当たり 50 µL 添加し、400 rpm  シェーカー上で室温 1 時間インキュベートする。
  16. HRP ストレプトアビジンの反応: 手順 15 でインキュベートしたプレートを、手順 5 と同様の方法で洗浄する。次いで HRP ストレプトアビジン溶液を 1 ウェル当たり 50 µL 添加してプレートをシールでカバーし、400 rpm のシェーカー上で室温 1 時間インキュベートする。
  17. プレートの洗浄: 手順 15 でインキュベートしたプレートを、手順 5 と同様の方法で洗浄する。最後の洗浄液の除去は、これまで以上に念入りに行うこと。
  18. TMB 基質を各ウェルに 100 µL 加え、アルミホイルなどで遮光し、400 rpm のシェーカー上で最大 20 分間インキュベートする。
  19. 停止液を各ウェルに 100 µL 加え、1 分間シェーカー上で攪拌する。
  20. 波長 450 nm で吸光度を測定する。
  21. データの解析
    1. 解析には、各ウェルの測定した吸光度値から、ネガティブ・コントロール(スタンダードのチューブ 8)の吸光度値(2 点以上とった場合はその平均値)を引いた値を用いる。
    2. グラフの X 軸にスタンダード各点の濃度、Y 軸に手順 21.1 で求めたスタンダード各点の値をプロットし、マイクロプレート・リーダー付属のグラフ作成ソフトなどを使用して、滑らかな標準曲線を描く。

      注:標準曲線の回帰(アルゴリズム)は 4 パラメータ(4PL)が一般的であるが、5 パラメータ、片対数などといった方法でも構わない。
    3. サンプルの吸光度と標準曲線を元に、サンプル内のターゲット・タンパク質の濃度を計算する。サンプルを希釈して使用した場合には、計算された値にその希釈倍率を掛ける。
    4. サンプルの吸光度値がスタンダード用タンパク質の一番高い濃度(スタンダードのチューブ 1)の吸光度値より大きい場合には、サンプルをさらに希釈して、またサンプルの吸光度値がスタンダード用タンパク質の一番低い濃度(スタンダードのチューブ 7)の吸光度値より小さい場合は希釈濃度を変更して、それぞれ最初から測定をやり直すこと。

*補足抗体および検出抗体の濃度および希釈倍率は目安である。最適な条件を予備実験で決めておくことが望ましい。

ELISA 用抗体ペア・キットと関連試薬

アブカムの ELISA 用抗体ペア・キットは、固相化用捕捉抗体、ビオチン標識済み検出抗体、スタンダード用リコンビナント・タンパク質のセットです。

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