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細胞周期におけるサイクリン・レベル

細胞周期におけるサイクリン量の変化について解説し、その研究に有用な製品をご紹介します。


サイクリンが細胞周期を制御する

真核生物の細胞周期の進行においては、サイクリン(Cyclin)のサイクリン依存性キナーゼ(CDKs; Cyclin-dependent kinases)への結合および複合体の形成と活性化が必須です。そして活性化された CDKs が特定の基質をリン酸化し、G1 期から S 期、そして G2 期から M 期への移行を促すことで、細胞周期の進行がコントロールされています。サイクリンには 11 種類ほどの分子種が知られていますが、そのうち Cyclin A、B、D、E の発現と分解は細胞周期の異なるタイミングで起こり、細胞周期の進行に沿って常に決まった発現パターンを示します(図1)。あるサイクリンの発現が上昇すると、そのサイクリンに特異的な CDK が活性化されます。またあるサイクリンが分解酵素によって分解されると、そのサイクリンに特異的な CDK も不活化されます。このような発現と分解がうまく起こらないと、細胞周期が停止してしまうこともあります。

このような発現パターンを利用することで、ある細胞の細胞周期の進行をモニターすることができます。その実験においては、細胞内の各種サイクリンそれぞれに対する特異的な抗体が用いられます。

図 1. 細胞周期の進行に伴う細胞内の、各種サイクリン・タンパク質量の変化。



Cyclin A

Cyclin A は主に CDK2 と結合して複合体を形成しますが、CDK1 と結合することもあります。S 期の終了を制御します。

おすすめの抗体: 抗 Cyclin A1 + Cyclin A2 ウサギ・モノクローナル抗体 (ab185619)

図 2. ヒト精巣組織パラフィン包埋切片の免疫組織染色。一次抗体は抗 Cyclin A1 + Cyclin A2(ab185619)(2000倍希釈)、二次抗体は抗ウサギ IgG H&L (HRP)(ab97051)。



Cyclin B

Cyclin B は主に CDK2 と結合して複合体を形成しますが、CDK1 と結合することもあります。M 期への進行に必須です。

おすすめの抗体: 抗 Cyclin B1 ウサギ・モノクローナル抗体(ab32053)-ノックアウト評価済

図 3. U2OS 細胞の免疫細胞染色。一次抗体は抗 Cyclin B1(ab32053)(1000倍希釈)、二次抗体は Alexa 594 標識抗 ウサギ IgG - 赤。対比染色は DAPI - 青(核)。G2 期に入る細胞が染色されている。



Cyclin D

Cyclin D は主に CDK4 と CDK6 と結合して複合体を形成しますが、CDK1 および CDK2 と結合することもあります。G1/S の移行に必須です。ある特定のがんの診断において、Cyclin D1 の免疫組織染色による解析が用いられることがあります。

おすすめの抗体: 抗 Cyclin D1 ウサギ・モノクローナル抗体(ab134175

おすすめのキット: ヒト Cyclin D1 SimpleStep ELISA® kit(ab214571

おすすめの化合物: S14161(ab144352)(Cyclin D1-D3 を阻害し、増殖細胞の細胞周期を停止させる。)

図 4. KN-93(ab120980)で処理した MCF7 細胞のマルチカラー免疫細胞染色。一次抗体抗 Cyclin D1(ab134175)(10 μg/ml)+ 二次抗体 Alexa 488 標識抗ウサギ IgG H&L(ab150081)(2 μg/ml)- 緑。また一次抗体抗 alpha Tubulin(ab7291) + 二次抗体 Alexa 594 標識抗マウス IgG H&L(ab150120)(2 μg/ml)- 赤。対比染色は DAPI - 青(核)。



Cyclin E

Cyclin E は主に CDK2 と結合と結合して複合体を形成しますが、CDK1 と結合することもあります。S 期への移行の引き金となります。

おすすめの抗体: 抗 Cyclin E1 ウサギ・モノクローナル抗体 (ab33911

図 5. HeLa 細胞の免疫細胞染色。一次抗体は抗 Cyclin E1(ab33911)(500倍希釈)、二次抗体は Alexa 488 標識抗ウサギ IgG - 緑。対比染色は DAPI - 青(核)。



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