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がんの多くが細胞ストレスを原因として起こり、p53 がストレス応答に重要な役割を果たすタンパク質であることを考えると、p53 をコードする遺伝子 TP53 の変異とそれによる p53 タンパク質の機能低下ががんの発生と進展を促進することは、驚くべきことではありません。事実、臨床的に得られたがん組織の 60 % 以上で TP53 に変異が認められるという報告があります。
TP53 の変異による p53 タンパク質の機能低下は、結腸直腸癌では 70 %、子宮頸癌においては 90 % で認められるという報告もあります。p53 の機能が低下するとがん細胞は、細胞周期チェックポイントやアポトーシスの回避、血管新生の誘導などによって、進展することが可能になります。TP53 の変異が遺伝性に起きる場合もあります。例えば Li-Fraumeni 症候群の家系では、30 才までに 50 %、60 才までに 90 % の人ががんになるとされています1,4,5。
p53 はがん以外にも、細胞ストレスに関連するさまざまな細胞の現象に関与していると考えられます。例えば代謝や老化プロセスなどに関与し、個体としての寿命にも影響を及ぼしている可能性があります2,3,6。