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蛍光について

1. 蛍光発光の原理
2. タンデム蛍光発光の原理
3. 主な蛍光色素の波長

1. 蛍光発光の原理

How does fluorescence work?

How does fluorescence work?

  1. 蛍光色素分子が、蛍光顕微鏡やフローサイトメーターからの光 (電磁波) のエネルギーを吸収すると、分子はエネルギー的に安定な基底状態から、高いエネルギーを持った不安定な励起状態に遷移します。
  2. 励起状態に遷移させるような波長は蛍光色素によって固有であり、これを励起波長と呼びます。
  3. 励起状態に遷移した分子は、過剰のエネルギーを熱や振動として一部放出した後、最終的に蛍光という形でエネルギーを放出しながら低いエネルギーの基底状態に戻ります。放出されるエネルギー量は蛍光色素によって固有のもので、そのエネルギー量により蛍光波長、すなわちその色素固有の色調が決まります。ただし、蛍光の色調は溶媒をはじめとした周囲の環境に影響を受けやすいことにご注意ください。

2. タンデム蛍光発光の原理

How do Tandem Dyes work?

How do Tandem Dyes work?

  1. タンデム蛍光標識は蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET) の原理を用いています。FRET とは、近接 (1~数nm) した 2 種類の蛍光分子間で、電子の共鳴によりエネルギーが直接移動する現象です。ある分子 (ドナー) の蛍光スペクトルともう一方の分子 (アクセプター) の励起スペクトルに重なりがある場合、励起状態に遷移したドナー分子のエネルギーは直接発光に用いられず、アクセプター分子の励起に用いられるという現象です。
  2. ドナー分子が、蛍光顕微鏡やフローサイトメーターからの光(電磁波)のエネルギーを吸収すると、分子はエネルギー的に安定な基底状態から、高いエネルギーを持って不安定な励起状態に遷移します。
  3. 励起状態にあるドナー分子のエネルギーが、電子の共鳴によってアクセプター分子に移動します。
  4. 励起状態に遷移したアクセプター分子は、蛍光という形でエネルギーを放出しながら低いエネルギーの基底状態に戻ります。放出されるエネルギー量は蛍光色素によって固有のもので、そのエネルギー量により蛍光波長、すなわちその色素固有の色調が決まります。

タンデム蛍光標識抗体は PE と Cy5 のような組み合わせの蛍光色素が 2 種類標識されています。標識された 2 種類の分子は、エネルギー移動ができるぐらい十分近いところに位置しています。まず特定波長の光でドナー分子 PE を励起します (この波長の光ではアクセプター分子 Cy5 は励起されません)。ドナー分子が吸収したエネルギーは、電子の共鳴によってアクセプター分子 Cy5 に移動します。励起されたアクセプターは、吸収したエネルギーを蛍光として放出します。

PE-Cy5 タンデム蛍光標識抗体の場合、励起波長は PE の励起波長である 565nm、蛍光波長は Cy5 の蛍光波長である 670nm になります。

以上の解説の英語バージョンが PDF ファイルでダウンロードできます。 こちらPDFからどうぞ。

3. 主な蛍光色素の波長

Fluorophore
Dye

Excitation wavelength
励起波長

Emission wavelength
蛍光波長

Visible color

Hydroxycoumarin

325

386

blue

methoxycoumarin

360

410

blue

Alexa fluor

345

442

blue

aminocoumarin

350

445

blue

Cy2

490

510

green (dark)

FAM

495

516

green (dark)

Alexa fluor 488

494

517

green (light)

DyLight 488

493

518

green (light)

Fluorescein FITC

495

518

green (light)

Alexa fluor 430

430

545

green (light)

Alexa fluor 532

530

555

green (light)

HEX

535

556

green (light)

Cy3

550

570

yellow

TRITC

547

572

yellow

Alexa fluor 546

556

573

yellow

Alexa fluor 555

556

573

yellow

DyLight 549

562

576

yellow

R-phycoerythrin (PE)

565

578

yellow

Rhodamine Red-X

560

580

orange

Tamara

565

580

red

Cy3.5

581

596

red

Rox

575

602

red

Alexa fluor 568

578

603

red

Red 613

480; 565

613

red

Texas Red

615

615

red

Alexa fluor 594

590

617

red

DyLight 594

593

618

red

Alexa fluor 633

621

639

red

Allophycocyanin

650

660

red

Alexa fluor 633

650

668

red

Cy5

650

670

red

DyLight 649

654

673

red

Alexa fluor 660

663

690

red

Cy5.5

675

694

red

TruRed

490; 675

695

red

Alexa fluor 680

679

702

red

Cy7

743

770

red

Nucleic acid probes
Dye

Excitation wavelength
励起波長

Emission wavelength
蛍光波長

Visible color

DAPI

345

455

blue

Hoechst 33258

345

478

blue

SYTOX blue

431

480

blue

Hoechst 33342

343

483

blue

YOYO-1

509

509

green

SYTOX green

504

533

green

TOTO 1, TO-PRO-1

509

533

green

SYTOX orange

547

570

yellow

Chromomycin A3

445

575

yellow

Mithramycin

445

575

yellow

Propidium iodide

536

617

red

Ethidium bromide

493

620

red

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